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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成13年厚年-第3問(障害厚生年金)
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■平成13年厚年-第3問(障害厚生年金)

障害厚生年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)障害厚生年金の受給権者は、社会保険庁長官に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。ただし、この請求は、障害厚生年金の受給権を取得した日から起算して1年6ヶ月を経過した日後でなければ行うことができない。

(B)傷病等に係る初診日に厚生年金保険の被保険者であり、かつ国民年金の被保険者期間を有しない者が、障害認定日においては政令で定められた障害等級に該当する障害の状態になかったものの、障害認定日後から65歳に達する日までの間に、障害等級に該当する程度の障害の状態になった場合には、障害厚生年金の支給を請求することができる。

(C)傷病に係る初診日に厚生年金保険の被保険者であった者が、初診日の属する月の前々月まで国民年金の第1号被保険者であった場合、初診日の前日までに全被保険者期間中の3分の1以上の期間について保険料の滞納がなければ保険料納付要件を満たしていることになる。

(D)厚生年金保険の被保険者であった者が退職し、国民年金の第1号被保険者となっていたが、その後再就職したことにより再び厚生年金保険の被保険者となった。国民年金の第1号被保険者であった時期に初診日があり、再び厚生年金保険の被保険者となってから3級の障害認定を受けた場合、保険料納付要件を満たしていれば障害厚生年金は支給される。

(E)それぞれが3級以上の障害等級に該当しない程度の2以上の障害を併合して、初めて2級の障害に該当するに至ったとき、それらの障害の初診日のうち一つでも厚生年金保険の被保険者期間に属していれば、障害厚生年金が支給される。



■解説

(A)誤り
法52条2項・3項
障害厚生年金の受給権者は、社会保険庁長官に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができるが、その請求は、障害厚生年金の受給権を取得した日又は社会保険庁長官による障害厚生年金の額の改定(職権改定)による診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができないことになっている。
よって、「受給権を取得した日から起算して1年6ヶ月を経過した日後でなければ行うことができない」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
法47条の2第1項
障害認定日に障害等級3級以上に該当する状態になかった者が、65歳に達する日の前日までに、その傷病によって障害等級3級以上に該当したときは、その期間内に障害厚生年金の支給を請求することができる。(事後重症による障害厚生年金)
なお、事後重症による障害厚生年金は請求により受給権が発生するため、必ず請求(65歳に達する日の前日までに請求)することが必要になる。
よって、「障害認定日後から65歳に達する日までの間に」とした問題文は誤りである。

(C)正解
法47条1項
傷病に係る初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金保険の被保険者期間があるときは、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が被保険者期間の3分の2以上(保険料滞納期間が3分の1以下)あることが必要である。(国民年金の被保険者期間がなければ保険料納付要件は問われない)
なお、被保険者期間には国民年金第2号被保険者としての期間も含まれ、その期間は保険料納付済期間となる。

(参考)
初診日が平成28年4月1日前にある場合は、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料滞納期間がなければ保険料納付期間を満たしたとする特例がある。
ただし、初診日において65歳以上の者にはこの保険料納付要件の特例は適用されない。(法附則64条(昭和60年5月1日法律第34号))

(D)誤り
法47条1項
障害認定日に厚生年金保険の被保険者であっても、初診日において厚生年金保険の被保険者でなければ障害厚生年金は支給されない。(初診日要件)
問題文の場合は、初診日が第1号被保険者であった期間中の傷病であり、障害認定日要件及び保険料納付要件を満たしているとしても障害厚生年金を受給することはできない。
よって、問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法47条の3第1項
基準傷病以外の傷病(1つに限らない)により障害等級2級以上の障害の状態のない者が、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がある別の傷病(基準傷病)の障害認定日以後、65歳に達する日の前日までに、基準傷病に係る障害とその他の障害を併せてはじめて障害等級2級以上に該当した場合は、その障害の程度による障害厚生年金が支給されることになる。
なお、基準傷病については、初診日要件及び保険料納付要件を満たす必要があり、初診日が基準傷病以外の傷病の初診日以後である必要がある。
よって、基準傷病について初診日要件を満たしていなければ、障害厚生年金は支給されない。
「それらの障害の初診日のうち一つでも厚生年金保険の被保険者期間に属していれば」とした問題文は誤りである。

  

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