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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成15年厚年-第4問(遺族厚生年金)
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■平成15年厚年-第4問(遺族厚生年金)

遺族厚生年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)配偶者以外の者に支給される遺族厚生年金は、受給権取得後に受給権者の数に増減が生じたときは、増減を生じた月の翌月から年金額が改定される。

(B)障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、死亡した者の障害等級にかかわりなく、その者の遺族に遺族厚生年金が支給される。

(C)夫、父母又は祖父母に支給される遺族厚生年金は、受給権者が65歳になるまで支給停止される。

(D)遺族厚生年金の中高齢寡婦加算額は、遺族基礎年金の年金額の3分の2に相当する額になっている。(一部改正)

(E)遺族厚生年金の生計維持の認定において、将来にわたって年間600万円以上の収入を有すると認められる者は、生計維持関係が認められない。



■解説

(A)正解
法61条
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が2人以上であるときは、遺族厚生年金の額は、総額を受給権者の数で除して得た額がそれぞれに支給される。
なお、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金の額が改定されることになっている。

(B)誤り
法58条1項3号
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合には、遺族厚生年金が支給されるが、障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合であっても、遺族厚生年金は支給されない。
よって、「死亡した者の障害等級にかかわりなく、その者の遺族に遺族厚生年金が支給される」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法65条の2
夫、父母又は祖父母については、被保険者が死亡した当時、55歳以上であることが支給の要件とされているが、この場合であっても、その者が60歳に達するまでは遺族厚生年金は支給停止される。
よって、「受給権者が65歳になるまで支給停止される」とした問題文は誤りである。
なお、被保険者等が平成8年4月1日前に死亡した場合に、遺族となる夫、父母又は祖父母が障害等級1級又は2級の障害の状態にある場合は年齢要件に関係なく遺族厚生年金の受給権を取得し、支給されることになる。(法附則72条2項・4項(昭和60年5月1日法律第34号))

(D)誤り
法62条1項
遺族厚生年金の中高齢寡婦加算額は、遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げる)とされている。
よって、「遺族基礎年金の年金額の3分の2に相当する額」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法59条4項、令3条の10、平成6年11月9日庁保発第36号、平成11年11月9日庁文発第3235号
遺族厚生年金の支給要件のうち、生計維持要件については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者であって厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる以外のものその他これに準ずる者として厚生労働大臣の定める者とされている。
なお、厚生労働大臣が定める金額は、年額850万円とし、次のいずれかに該当する場合は厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外のものに該当することとされている。
1.前年の収入(前年の収入が確定しない場合は前々年の収入)が年額850万円未満であること
2.前年の所得(前年の所得が確定しない場合は前々年の所得)が年額655.5万円未満であること
3.一時的な所得がある場合は、これを除いた後、上記1又は2に該当すること
4.上記のいずれかに該当しないが、定年退職等の事情により近い将来収入が年額850万円未満又は所得が655.5万円未満となると認められること
よって、「将来にわたって年間600万円以上の収入」とした問題文は誤りである。

  

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