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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成16年厚年-第6問(老齢厚生年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成16年厚年-第6問(老齢厚生年金)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)昭和21年4月2日以後に生まれた者について、平成15年4月以後の被保険者期間に係る報酬比例部分の給付乗率は、従前額保障となっているので、計算結果により、1000分の5.481か1000分の5.769のいずれかになる。

(B)老齢厚生年金を裁定するとき、当該被保険者の厚生年金保険の被保険者期間に、12,000円未満の標準報酬月額の期間がある場合には、この期間の標準報酬月額は12,000円とみなし、平均標準報酬月額を計算する。

(C)特別支給の老齢厚生年金を受給している者が65歳に到達した場合、65歳から老齢基礎年金及び老齢厚生年金の支給を受ける場合には、社会保険庁長官に裁定請求をすることを要しない。

(D)老齢厚生年金の加給年金額の対象となる妻と2人の子がいる場合、いずれに対しても加給年金額が加算されるが、子の加給年金額は妻の約3分の1である。

(E)老齢厚生年金に加算される配偶者の加給年金額は、配偶者自身が老齢厚生年金の年金たる給付を受けることができても、被保険者期間の月数が240月未満であれば停止されることはない。



■解説

(A)正解
法附則20条1項2号・法附則21条1項2号(平成12年3月31日法律第18号)
平成12年改正により給付乗率の5%適正化(5%引き下げ)が行われたが、経過措置として、5%適正化前の給付乗率を用いて計算した報酬比例部分の年金額の方が高くなる場合は、その額を年金額とする従前額保障の措置が講じられている。
昭和21年4月2日以後に生まれた者については生年月日による給付乗率の読み替えは適用されないため、平成15年4月以後の原則の率(5%適正化後の率)である1,000分の5.481と従前額保障の率(5%適正化前の率)である1,000分の5.769のどちらかが適用されることなる。
なお、昭和21年4月2日以後に生まれた者の平成15年3月以前の原則の給付乗率(5%適正化後の率)は、1,000分の7.125で、従前額保障の率(5%適正化前の率)は1,000分の7.5となる。

(B)誤り
法附則3条(昭和44年12月6日法律第78号)
老齢厚生年金を裁定するとき、当該被保険者の厚生年金保険の被保険者期間に、10,000円未満の標準報酬月額の期間がある場合には、この期間の標準報酬月額は10,000円とみなし、平均標準報酬月額を計算することになっている。
よって、「12,000円未満の標準報酬月額の期間がある場合には、この期間の標準報酬月額は12,000円とみなし」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
則30条2項
特別支給の老齢厚生年金を受給している者が65歳に到達し、65歳から老齢基礎年金及び老齢厚生年金の支給を受ける場合であっても、所定の事項を記載した請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書「はがき様式」)を社会保険庁長官に提出しなければならないことになっている。
よって、「社会保険庁長官に裁定請求をすることを要しない」とした問題文は誤りである。

(D)誤り
法44条2項
老齢厚生年金の加給年金額の対象となる妻と2人の子がいる場合、いずれに対しても加給年金額が加算される。
加給年金の原則的な額は、配偶者においては、224,700円に、子については2人目まで224,700円に、3人目以降は74,900円に、改定率を乗じて得た額とされており、3人目以降の子の加給年金額は配偶者の約3分の1となっている。
よって、「子の加給年金額は妻の約3分の1」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法46条6項、法附則61条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
老齢厚生年金の加給年金額の対象となる配偶者が、老齢厚生年金(240月以上の被保険者期間を有するもの)、障害厚生年金、国民年金法による障害基礎年金、共済組合が支給する年金給付等のうち、老齢、退職又は障害を支給事由とする政令で定める年金給付を受けることができるときは、その加入年金額の支給は停止されることになっている。
なお、厚生年金保険の被保険者期間が240月未満の者であっても、40歳以後の被保険者期間が15年以上である場合等、中高齢の期間短縮特例の適用を受けるときは、被保険者期間が240月あるものとみなして加給年金額は支給停止されることになっている。
よって、「被保険者期間の月数が240月未満であれば停止されることはない」とした問題文は誤りである。

  

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