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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成16年厚年-第10問(保険給付)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成16年厚年-第10問(保険給付)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)厚生年金保険の保険給付は、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金の3種類である。

(B)保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に端数が生じたときには、5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満の端数は10円に切り上げる。

(C)各種の加算額は、調整期間における保険給付の自動調整(マクロ経済スライド)の対象外である。(一部改正)

(D)老齢厚生年金の支払期月は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月であるが、この期月以外の月でも新規裁定分の年金の初回支払などは行う。

(E)老齢厚生年金は、その受給権者が他の年金たる保険給付、国民年金法による年金たる給付又は被用者年金各法による年金たる給付を受けることができることとなったときは、6年間、支給が停止される。



■解説

(A)誤り
法32条
厚生年金保険の保険給付は、老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金の4種類である。
よって、「3種類」とした問題文は誤りである。
なお、脱退一時金については、その性格に鑑み、法附則に規定されており、厚生年金保険の保険給付の範囲とされていないので注意すること。

(B)誤り
法35条
保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げることになっている。
よって、「5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満の端数は10円に切り上げる」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法44条2、法50条の2第2項、法62条、法附則60条2項(昭和60年5月1日法律第34号)
各種加算額である、加給年金額、特別加算額、中高齢寡婦加算額などもマクロ経済スライドの対象となっている。
よって、「保険給付の自動調整(マクロ経済スライド)の対象外」とした問題文は誤りである。

(D)正解
法36条3項
年金は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれその前月分までを支払うことになっているが、前支払期月に支払うべきであった年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、支払期月でない月であっても、支払われることになっている。

(E)誤り
法38条
年金たる給付は、国民年金法による年金給付や共済組合が支給する年金給付を含めて、1年金を選択するする(同一支給事由の年金は併給可能)ことになっている。
そして、併給の調整により、選択しなかった年金が支給停止されることはあるが、この併給調整による支給停止は、いつでも将来に向かって撤回することができることになっている。
よって、「6年間、支給が停止される」とした問題文は誤りである。

  

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