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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成17年厚年-第6問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成17年厚年-第6問(法令全般関係)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)昭和40年4月2日生まれの坑内員たる被保険者期間を15年有する被保険者が老齢基礎年金の受給資格を満たした後は、60歳以降65歳に達する前に厚生労働大臣に老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる。(一部改正)

(B)適用事業所に使用される70歳以上の障害給付を受けている者であって、その者が適用除外に該当しないときは、事業主の同意が得られなくても厚生労働大臣の認可を得ることにより被保険者となることができる。(一部改正)

(C)同時に厚生年金基金の設立事業所と設立事業所以外の事業所に使用される被保険者が、設立事業所に係る基金に加入員辞退の申し出をしないままに10日を経たときは、基金の加入員にはなれない。

(D)厚生労働大臣が記録し備えるべき被保険者に関する事項には、被保険者の氏名、生年月日、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬月額及び標準賞与額及び賞与の支払年月日等についての事項が該当する。(一部改正)

(E)国庫の負担による基礎年金拠出金の額は、平成17年度においては基礎年金拠出金の額の3分の1に、3分の1に1000分の11を乗じた額を加えて得た額である。



■解説

(A)誤り
法附則8条の2第3項、法附則13条の4第1項
昭和40年4月2日生まれの者であり、坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間を合算した期間が15年以上である被保険者が老齢基礎年金の受給資格を満たした後は、64歳から特別支給の老齢厚生年金(定額部分と報酬比例部分)が支給されることになる。
なお、老齢厚生年金の支給繰上げの請求は、支給開始年齢(64歳)に達する前に行う必要がある。
よって、64歳に達した後は、繰上げ請求をすることができず、「60歳以降65歳に達する前に厚生労働大臣に老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる」とした問題文は誤りである。

(B)誤り
法附則4条の3第1項
適用事業所に使用される70歳以上の者であって、政令で定める給付(老齢又は退職を支給事由とする年金給付)の受給権を有していない者は、厚生労働大臣に申出ることにより、被保険者の資格を取得することができる。
よって、「厚生労働大臣の認可を得ることにより被保険者となることができる」とした問題文は誤りである。
なお、保険料の負担については原則として全額自己負担となり、事業主が同意した場合には、折半負担することができる。しかし、事業主が同意しない場合であっても、標準報酬の届出などの一定の事務は事業主が行う必要がある。
ちなみに、政令で定める給付の受給権を有していない場合は、障害給付を受けていても任意加入することは可能である。

(C)誤り
法127条1項・2項
同時に設立事業所と設立事業所以外の事業所又は船舶に使用される被保険者は、その者が同時に設立事業所と設立事業所以外の事業所又は船舶に使用されることとなった日から起算して10日以内に厚生年金基金に申し出ることによって加入員とならないことができる。
よって、辞退の申し出がない場合は、加入員となり、「加入員辞退の申し出をしないままに10日を経たときは、基金の加入員にはなれない」とした問題文は誤りである。

(D)正解
法28条、則89条
厚生労働大臣は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額)その他厚生労働省令で定める事項を記録しなければならないことになっている。
なお、厚生労働省令で定める事項は次のとおり定められている。
1.被保険者の基礎年金番号
2.被保険者の生年月日及び住所
3.被保険者の種別及び基金の加入員であるかないかの区別
4.事業所の名称及び船舶所有者の氏名(船舶所有者が法人であるときは、名称とする。)
5.被保険者が基金の加入員であるときは、当該基金の名称
6.賞与の支払年月日
7.保険給付に関する事項

(E)誤り
法80条1項、法附則32条3項・4項(平成16年6月11日法律第104号)
国庫の負担による基礎年金拠出金の額は、平成17年度においては基礎年金拠出金の額の3分の1に1,000分の11を加えた率を乗じて得た額に、更に821億6035万5円を加えた額とされている。
よって、「基礎年金拠出金の額の3分の1に、3分の1に1000分の11を乗じた額を加えて得た額である」とした問題文は誤りである。
なお、平成18年度における、国庫の負担による基礎年金拠出金の額は、基礎年金拠出金の額の3分の1に1,000分の25を加えた率を乗じて得た額とされ、平成19年度から特定年度の前年度までの各年度における、国庫の負担による基礎年金拠出金の額は、基礎年金拠出金の額の3分の1に1,000分の32を加えた率を乗じて得た額とされている。(法附則32条5項・6項(平成16年6月11日法律第104号))
また、平成21年度及び平成22年度においては、基礎年金拠出金の額の3分の1に1,000分の32を加えた率を乗じて得た額の他、特例的に財政投融資特別会計財政融資資金勘定から一般会計への繰入金を活用することによって、経過措置による国庫負担割合と法律本来の国庫負担割合(基礎年金拠出金の額の2分の1)の差額を負担することとされている。(法附則32条の2(平成16年6月11日法律第104号))

  

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