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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成18年厚年-第2問(保険給付)
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■平成18年厚年-第2問(保険給付)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)障害厚生年金の額については、老齢厚生年金の額の規定の例により計算した額とし、当該障害年金の支給事由となった障害に係る初診日の属する月後における被保険者であった期間は計算の基礎としないが、被保険者期間の月数が300に満たないときは300として計算する。

(B)初診日に厚生年金保険の被保険者であり、障害認定日に2級の障害の障害認定を受けた者について、その者が20歳到達前であるとき、障害厚生年金は支給されるが、障害基礎年金は20歳到達後まで支給されない。

(C)被保険者が使用される船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く航海に堪えられなくなった場合には、翌月分以降の保険料の免除を申請することができる。

(D)被保険者が厚生労働省令の定める事項について事業主に申し出なかったとき、あるいは戸籍法の規定による死亡の届出義務者が、受給権者の死亡を厚生労働大臣に届け出なかったときは、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる。(一部改正)

(E)65歳未満の特別支給の老齢厚生年金、報酬比例部分の老齢厚生年金(部分年金)、繰上げ支給の老齢厚生年金については、雇用保険法に規定される基本手当の調整対象になるが、65歳以後に支給される老齢厚生年金及び障害年金については、雇用保険法に規定される基本手当の調整対象にはならない。



■解説

(A)誤り
法50条、法51条
障害厚生年金の額については、老齢厚生年金の額の規定の例によって計算した額となっているが、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月後における被保険者であった期間はその計算の基礎としないことになっている。
よって、「初診日の属する月後における被保険者であった期間は計算の基礎としない」とした問題文は誤りである。
なお、障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算することになっている。

(B)誤り
法47条1項、国年法30条1項
厚生年金保険の被保険者は20歳未満であっても、国民年金第2号被保険者となる。(国年法7条1項2号)
よって、障害基礎年金の初診日要件(初診日に被保険者であること)、障害認定日要件、保険料納付要件(厚生年金保険の被保険者期間は当然保険料納付済期間となる)を満たすことになり、問題文の場合は、障害厚生年金及び障害基礎年金の受給権を有することになる。
よって、「障害基礎年金は20歳到達後まで支給されない」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法81条の2
育児休業期間中を除き、保険料の徴収の特例は設けられていない。
よって、被保険者が使用される船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く航海に堪えられなくなった場合であっても保険料免除の申請をすることはできず、問題文は誤りとなる。
なお、被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合は、保険料の繰上徴収(納期前の徴収)ができる規定はある。(法85条4項)

(D)誤り
法98条、法105条
事業主が、被保険者の資格の取喪、報酬月額、賞与額に関する事項を除くほか、厚生労働省令の定める事項を厚生労働大臣に届け出なかったとき、被保険者が厚生労働省令の定める事項について厚生労働大臣に届け出、又は、事業主に申し出なかったとき、あるいは戸籍法の規定による死亡の届出義務者が、受給権者の死亡を厚生労働大臣に届け出なかったときは、10万円以下の過料に処せられることになっている。
よって、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる」とした問題文は誤りである。

(E)正解
法附則7条の4、法附則11条の5ほか
60歳台前半の老齢厚生年金(繰上げ支給の老齢厚生年金も含む)の受給権者が雇用保険法の求職の申し込みをしたときは、基本手当との調整対象になるが、65歳以後に支給される老齢厚生年金及び障害年金については、基本手当との調整対象にならない。
よって、問題文は正解である。
なお、基本手当との調整は、60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が、平成10年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した場合に限り適用されることになっている。(法附則25条1項(平成6年11月9日法律第95号))

  

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