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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成18年厚年-第10問(脱退一時金)
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■平成18年厚年-第10問(脱退一時金)

短期在留の外国人に対する脱退一時金の支給要件及び支給額に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者期間が6月以上あり、国民年金の被保険者でなく、かつ日本国籍を有しないこと。

(B)老齢厚生年金の受給資格期間の要件を満たしていないこと。

(C)障害厚生年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがないこと。

(D)最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者の場合は、同日後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して5年を経過していないこと。

(E)脱退一時金の額は、厚生年金保険の被保険者期間の最終月の属する年の前年の10月(最終月が1月から8月までの場合は前々年の10月)の保険料率をもとに支給率を算出し、この支給率を平均標準報酬額に乗じて算出する。



■解説

(A)正解
法附則29条1項
被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)が、老齢厚生年金等の保険料納付要件を満たしていない場合に請求することによって支給されることになっている。
よって、問題文は正解である。

(B)正解
法附則29条1項
被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)が、老齢厚生年金等の保険料納付要件を満たしていない場合に請求することによって支給されることになっている。
よって、問題文は正解である。

(C)正解
法附則29条1項2号
脱退一時金は、支給要件を満たしている場合であっても、障害厚生年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがある者は請求できないことになっている。
よって、問題文は正解である。

(D)誤り
法附則29条1項3号
脱退一時金は、支給要件を満たしている場合であっても、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは請求できないことになっている。
よって、「5年を経過」とした問題文は誤りである。

(参考)
脱退一時金の支給要件
脱退一時金は、被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)が、老齢厚生年金等の保険料納付要件を満たしていない場合に請求することによって支給されるが、次に該当する場合には脱退一時金の請求ができないことになっている。
1.日本国内に住所を有するとき
2.障害厚生年金等の受給権を有したことがあるとき
3.最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき
4.外国との年金通算協定により、厚生年金保険の老齢給付に相当する給付を受けることができるようになったとき

(E)正解
法附則29条3項・4項
脱退一時金の額は、平均標準報酬額に被保険者期間に応じた次の支給率を乗じて得た額となっている。
よって、問題文は正解である。

原則的な支給率
被保険者期間 支給率
6月以上12月未満 保険料率×2分の1×6
12月以上18月未満 保険料率×2分の1×12
18月以上24月未満 保険料率×2分の1×18
24月以上30月未満 保険料率×2分の1×24
30月以上36月未満 保険料率×2分の1×30
36月以上 保険料率×2分の1×36

※保険料率は、最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月)の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月から8月までの場合にあっては、前々年10月の保険料率)を用いる。
※支給率に少数点以下一位未満の端数があるときは、四捨五入する。

平成17年4月1日前の被保険者期間のみの場合
被保険者期間 支給率
6月以上12月未満 0.4
12月以上18月未満 0.8
18月以上24月未満 1.2
24月以上30月未満 1.6
30月以上36月未満 2.0
36月以上 2.4

(参考)
平均標準報酬額
各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者期間の月数で除して得た額とされている。
平成15年4月1日前の被保険者期間がある場合は、平成15年4月1日前の各月の標準報酬月額に1.3を乗じて得た額と平成15年4月1日以後の各月の標準報酬月額及び標準賞与額を合算した額を全被保険者期間の月数で除して得た額となる。
なお、標準報酬月額及び標準賞与額は再評価前のものを使用することになっている。

  

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