社会保険労務士試験過去問研究室-平成19年厚年-第2問（老齢厚生年金）

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平成19年厚年-第2問（老齢厚生年金）

■社会保険労務士試験過去問研究室

■平成19年厚年-第2問（老齢厚生年金）

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない60歳以上の者で、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有し、当該被保険者期間と旧共済組合員期間とを合算して15年以上の期間を有する者については、厚生年金保険の被保険者期間に応じて60歳台前半の老齢厚生年金の例によって計算した額を特例老齢年金として支給する。

(B)昭和24年4月2日から昭和28年4月1日までの間に生まれた男子については、60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件を満たした場合、原則として報酬比例部分のみの60歳台前半の老齢厚生年金が支給される。

(C)60歳台前半の老齢厚生年金の定額部分と昭和36年4月1日以後の20歳以上65歳未満の厚生年金保険の被保険者期間に係る老齢基礎年金相当額に差があるときは、当該差額を老齢基礎年金に経過的に加算する。

(D)60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が雇用保険法の規定による求職の申込みをしたときは、基本手当に係る調整対象期間（基本手当を受けた日とみなされる日及びこれに準ずる日が1日もない月があった場合を除く。）について、当該老齢厚生年金の報酬比例部分に相当する金額のみ全額を支給停止する。

(E)60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者であって、厚生年金保険の被保険者である日が属する月について60歳台前半の在職老齢年金の支給調整の仕組みが適用されている者について、その者が雇用保険法の規定による高年齢雇用継続基本給付の支給を受けることができるときは、高年齢雇用継続基本給付が支給停止される。

■解説

(A)誤り
法附則28条の3第1項
老齢基礎年金の受給資格期間を満たさないことにより老齢厚生年金を受給できない者が、被保険者期間と旧共済組合期間とを合算した期間を20年以上有する場合、特例老齢年金が支給されることになっている。
よって、「被保険者期間と旧共済組合員期間とを合算して15年以上」とした問題文は誤りとなる。
なお、特例老齢年金の額は、定額部分と報酬比例部分の額とを合算した額とされている。

(B)正解
法附則8条、法附則8条の2、法附則19条（平成6年11月9日法律第95号）
昭和24年4月2日から昭和28年4月1日までの間に生まれた男子（障害者の特例、長期加入者の特例、第3種被保険者の特例に該当しないものとする。）については、60歳から報酬比例部分相当の60歳台前半の老齢厚生年金が支給される。
よって、問題文は正解となる。
なお、女子（特例等に該当しないものとする。）については、男子の5歳遅れ（昭和29年4月2日から昭和33年4月1日までの間に生まれた者）となっている。

(C)誤り
法附則59条2項（昭和60年5月1日法律第34号）
65歳以後に支給される老齢厚生年金の額については、当分の間、60歳台前半の老齢厚生年金の定額部分の額から昭和36年4月1日以後の20歳から60歳到達時までの期間に係る厚生年金保険の被保険者期間のみを保険料納付済期間として計算した老齢基礎年金の額に相当する額を控除した額を加算することとされている。（経過的加算）
これは、経過的に生じる定額単価と老齢基礎年金の加入1年当たりの単価との差額分や昭和36年4月1日前の期間、20歳前の期間又は60歳以後の期間に係る定額部分に相当する額が加算されることを意味するものであり、これにより65歳到達時により定額部分が老齢基礎年金に代わった場合においても、年金の総額が低下しないこととなる。
よって、「当該差額を老齢基礎年金に経過的に加算する。」（正しくは老齢厚生年金に加算）とした問題文は誤りである。

(D)誤り
法附則11条の5
60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が雇用保険法の規定による求職の申込みをしたときは、当該求職の申込みがあった月の翌月から、当該基本手当に係る受給期間が経過するか、又は所定給付日数が満了するに至った月までの間（調整対象期間）、60歳台前半の老齢厚生年金（定額部分も含む。）の支給を停止することとされている。
ただし、調整対象期間であっても、受給権者が基本手当の支給を受けたとみなされる日及びこれに準ずる日が1日もない月においては、支給停止は行われない。
よって、「老齢厚生年金の報酬比例部分に相当する金額のみ全額を支給停止する」とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法附則11条の6
60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者であって、雇用保険法の高年齢雇用継続給付金の支給を受けることができるときは、当該老齢厚生年金について、在職老齢年金の仕組みにより支給停止される額に加え、さらに標準報酬月額の100分の6の範囲内で60歳台前半の老齢厚生年金の一定額が支給停止されることになっている。
よって、「高年齢雇用継続基本給付が支給停止される」とした問題文は誤りである。

　　

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