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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成20年厚年-第3問(厚生年金基金)
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■平成20年厚年-第3問(厚生年金基金)

厚生年金基金(以下「基金」という。)等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)加入員の脱退に関して基金が支給する脱退一時金について、老齢年金給付の額が規約で定める額を加算する方法で算定される加入員であって当該老齢年金給付に当該加算額が加算されないものに支給する脱退一時金は、当分の間、すべての基金において当該加算額の算定の基礎となる加入員であった期間が3年以上の者に支給するものとされている。

(B)基金は、厚生労働大臣の解散命令によるほかは、代議員会において代議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けることによってのみ解散することができる。

(C)厚生年金保険法第81条の3の免除保険料率の決定等に係る規定は、当分の間、解散しようとする基金又は確定給付企業年金法の規定により企業年金基金となろうとする基金であって、厚生労働大臣の認可を受けて、当該認可を受けた日以降の当該基金の加入員であった期間に係る厚生年金保険法第132条第2項に規定する額に相当する老齢年金給付の支給に関する義務を免れる基金については、適用されない。

(D)基金は、政令で定める範囲内において、規約の定めるところにより、設立事業所の事業主の負担すべき掛金の額の負担の割合又は加入者の負担すべき掛金の額の負担の割合を増加することができる。

(E)同時に二以上の基金の設立事業所に使用される被保険者は、その者が二以上の基金の設立事業所に使用されるに至った日から起算して10日以内にその者の選択により一の基金の加入員とならなければならないが、その選択した一の基金以外の基金の加入者の資格は、加入員となる基金を選択した日に喪失する。



■解説

(A)誤り
法130条2項、基金令25条、基金令附則7条
老齢年金給付の額が規約で定める額を加算する方法で算定される加入員であって当該老齢年金給付に当該加算額が加算されないものに支給する脱退一時金は、当該加算額の算定の基礎となる加入員であった期間が3年以上の者に支給するものとされている。
しかしながら、平成14年4月1日前に設立された基金(同日以後に当該基金が合併し、又は分割したことにより設立された基金を含む。)にあっては、当分の間、この支給要件は適用されないことになっている。
よって、「すべての基金において当該加算額の算定の基礎となる加入員であった期間が3年以上の者に支給するものとされている」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法145条
厚生年金基金は、次の理由により解散する。
(1)代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決
(2)基金の事業の継続の不能
(3)厚生労働大臣の解散の命令
よって、基金は事業の継続の不能によっても解散するため、問題文の記述は誤りとなる。
なお、解散理由のうち、厚生労働大臣の解散命令以外の場合は、厚生労働大臣の認可を受ける必要がある。

(C)正解
法附則32条
免除保険料率の決定等の規定は、当分の間、解散しようとする基金又は企業年金基金になろうとする基金であって、厚生労働大臣の認可を受けて、いわゆる将来期間分の代行返上を行った基金については、それ以降の代行部分の老齢年金給付の支給に関する義務を免れることになるため、適用されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法139条1項・2項
基金は、政令で定める範囲内において、規約の定めるところにより、設立事業所の事業主の負担すべき掛金の額の負担の割合を増加することができる。
しかしながら、加入員の負担すべき掛金の額の負担割合を増加することは認められていない。
よって、「又は加入者の負担すべき掛金の額の負担の割合を増加することができる」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法126条1項・2項・3項
同時に2以上の基金の設立事業所に使用される被保険者は、その者が2以上の基金の設立事業所に使用されるに至った日から起算して10日以内にその者の選択する1の基金の加入員にならなければならない。
そして、その被保険者が、1の基金を選択したときは、その者が2以上の基金の設立事業所に使用されるに至った日にさかのぼって、その選択した1の基金以外の基金の加入員でなかったものとすることになっている。
よって、「その選択した一の基金以外の基金の加入者の資格は、加入員となる基金を選択した日に喪失する」とした問題文は誤りとなる。

  

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