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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成20年厚年-第8問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)事業主は、正当な理由がなくて納付すべき自己の負担する保険料及びその使用する被保険者の保険料の納付を怠り、督促状に指定する期限までにこれを納付しないときは、30万円以下の罰金に処せられる。

(B)事業主は、厚生年金保険に関する書類のうち、被保険者の資格の取得及び喪失に関するものは、その完結の日から5年間、保険料に関するものは、その完結の日から2年間、保存しなければならない。

(C)65歳以上の者であって、厚生年金保険の被保険者期間が1年未満の者は、国民年金法に規定する保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上あるときであっても、老齢厚生年金を請求することはできない。

(D)厚生年金基金がその業務の一部を委託することができる法人は、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(農業協同組合法に規定される事業のうち、生命共済の事業を行うものに限る。)及び企業年金連合会に限られる。

(E)保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者は、厚生年金保険法第59条に規定する遺族厚生年金を受けることができる遺族以外の者であっても自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる場合がある。



■解説

(A)誤り
法82条2項、法102条1項
事業主が、正当な理由がなくて、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を怠り、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることになっている。
よって、「30万円以下の罰金」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
則28条
事業主は、厚生年金保険に関する書類を、その完結の日から2年間保存しなければならないことになっている。
よって、被保険者の資格の取得及び喪失に関するものについても、保存期間は、完結の日から2年間であり、「完結の日から5年間」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法33条、法42条
厚生年金保険の被保険者期間が1年未満の者であっても、65歳以上であり、国民年金法に規定する保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上あるときは、老齢厚生年金の請求をすることができる。
よって、「老齢厚生年金を請求することはできない」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法130条5項、基金令29条
厚生年金基金がその業務の一部を、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(農業協同組合法に規定される事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。)、企業年金連合会、その他の法人(厚生労働大臣が指定した法人)に委託することができる。
よって、「信託会社」と「その他の法人(厚生労働大臣が指定した法人)」についても業務を委託することが認められているため、問題文の記述は誤りとなる。

(E)正解
法37条1項、59条
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
よって、未支給の保険給付を請求できる遺族の範囲は遺族厚生年金を受けることができる遺族の範囲より広く、遺族厚生年金を受けることができる遺族以外の者であっても、自己の名で未支給の保険給付を請求できる場合があるため、問題文は正解となる。

  

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