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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成22年厚年-第8問(事務の委任)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成22年厚年-第8問(事務の委任)

日本年金機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者の資格の取得及び喪失に係る厚生労働大臣の確認。ただし、適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者で厚生労働大臣の認可を受けて被保険者の資格を取得または喪失するとき、及び厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所でなくすることになった被保険者の資格の喪失を除く。

(B)厚生労働大臣自らが行うことを妨げないとされている、年金たる保険給付の受給権を有し、またはその者について加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ、または当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させる権限。

(C)厚生年金保険法第9章「厚生年金基金及び企業年金連合会」に規定する厚生労働大臣の権限のうち、厚生年金基金に係る権限の一部。(参考問題)

(D)離婚分割における第1号改定者及び第2号改定者の標準報酬月額及び標準賞与額の改定または決定を行う権限。

(E)適用事業所の取消しの認可、2以上の適用事業所(船舶を除く。)を一の適用事業所とすることの承認。



■解説

(A)正解
法100条の4第1項3号
被保険者の資格の取得及び喪失に係る厚生労働大臣の確認の権限に係る事務は日本年金機構へ委任されている。
よって、問題文は正解となる。
なお、適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者で厚生労働大臣の認可を受けて被保険者の資格を取得または喪失するとき、及び厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所でなくすることになった被保険者の資格の喪失については、厚生労働大臣の確認は要しないものとされている。(法18条1項但し書)

(B)正解
法104条の4第1項34号
年金たる保険給付の受給権を有し、またはその者について加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ、または当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させる厚生労働大臣の権限に係る事務は日本年金機構へ委任されているが、厚生労働大臣自らが行うことを妨げないとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤りだった
公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号)が平成26年4月1日に施行され、施行日以後は厚生年金基金の新設は認めないこととし、施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し解散を進めるとともに、厚生年金基金から他の企業年金等への積立金の移行についての特例等が設けられたため参考問題とする。
なお、厚生年金基金に係る厚生労働大臣の権限に係る事務は日本年金機構に委任されていないため誤りの肢であった。
平成26年4月1日改正前の厚生年金保険法第9章「厚生年金基金及び企業年金連合会」に規定する厚生労働大臣の権限のうち基金に係るものは、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を地方厚生局長に委任することができ、さらに地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令の定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができることとされていたが、この規定は存続厚生年金基金については適用される。

(D)正解
法104条第1項23号
離婚分割における第1号改定者及び第2号改定者の標準報酬月額及び標準賞与額の改定または決定を行う厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されている。
よって、問題文は正解となる。
なお、3号分割における標準報酬月額及び標準賞与額の改定または決定を行う厚生労働大臣の権限に係る事務も日本年金機構に委任されている。

(E)正解
法104条第1項1号
事業所の任意適用及び任意適用の取消しの認可、適用事業所の一括に係る承認並びに事業所の任意適用及び任意適用の取消しの申請の受理に係る厚生労働大臣の権限に係る事務については、日本年金機構に委任されている。
よって、問題文は正解となる。

  

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