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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年厚年-第2問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者が被保険者になるためには、保険料を全額負担し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

(B)保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないので、老齢厚生年金及び脱退一時金を受ける権利は国税滞納処分(その例による処分を含む。)によって差し押さえることができない。

(C)年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、また、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月から支給しない。

(D)老齢厚生年金の受給資格要件を満たす65歳以上の者が老齢厚生年金を受給するためには、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上必要であり、同要件を満たす60歳以上65歳未満の者が特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、当該被保険者期間が1年以上必要である。

(E)老齢厚生年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合の未支給の老齢厚生年金の保険給付については、当該死亡した受給権者と生計を同じくしていた弟がいるときは、その者の死亡時から起算して7年以内に、未支給の保険給付の請求を行わなければならない。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法10条、法27条、法82条
適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者は、厚生労働大臣の認可を受けて厚生年金保険の被保険者となることができる。(任意単独被保険者)この認可を受けるためには、その事業所の事業主の同意を得る必要があり、これにより事業主が保険料を半額負担し、保険料を納付し、届出を行うことになる。
よって、「保険料を全額負担」とした問題は誤りとなる。

(B)誤り
法41条1項、法附則29条8項
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができないが、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供すること(独立行政法人福祉医療機構の小口資金貸付による担保)及び老齢厚生年金、特例老齢年金、脱退手当金及び脱退一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることは、例外的に可能である。
よって、「老齢厚生年金及び脱退一時金を受ける権利は国税滞納処分(その例による処分を含む。)によって差し押さえることができない。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法36条
年金は、支給すべき事由が生じた月の翌月から受給権が消滅した月まで支給されることになっている。また、年金の支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月まで支給停止されることになっている。
よって、「その事由が生じた月から支給しない。」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法42条、法附則8条
老齢厚生年金は厚生年金保険法の本則上は老齢基礎年金と合わせて65歳から支給することとされているが、60歳から64歳までの間は特別支給の老齢厚生年金として定額部分と報酬比例部分を合わせた額が支給(年齢により支給開始年齢が引上げられ昭和36年4月2日以後生まれの男子、昭和41年4月2日以後生まれの女子等には支給されない。)されることになっている。
この特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある場合に支給されることになっており、この要件については65歳以後に支給される老齢厚生年金の場合は老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば支給することとされていることから、65歳到達以後は1年未満の加入期間分についても支給されることになる。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法37条、法92条1項、則42条
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができることになっている。
そして、老齢厚生年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合において、死亡するまでに受けるべきであった給付の申請を行う者は、未支給保険給付請求書を提出するとともに、自己の名で裁定請求書を、老齢厚生年金の受給権が発生した時から5年以内(時効期間)に、実施機関に提出する必要がある。
よって、「その者の死亡時から起算して7年以内」とした問題文は誤りとなる。

  

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