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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年厚年-第10問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)適用事業所に使用される70歳以上の高齢任意加入被保険者は、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとする。ただし、その者の事業主が当該保険料の半額を負担し、かつその被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときはこの限りではない。

(B)障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進し2級に改定された場合、その受給権を取得した日以後に、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときであっても、配偶者加給年金額は加算されない。

(C)報酬月額の定時決定に際し、当年の4月、5月、6月の3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までの間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差が生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合には、事業主の申立て等に基づき、実施機関による報酬月額の算定の特例として取り扱うことができる。(一部改正)

(D)60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者であって被保険者である場合に、雇用保険法に基づく高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けることができる者は、その者の老齢厚生年金について、標準報酬月額に法で定める率を乗じて得た額に相当する部分等が支給停止され、高年齢雇用継続基本給付金は支給停止されない。

(E)老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間が240月以上であるものとする。)の受給権を取得した当時胎児であった子が出生したときは、受給権者がその権利を取得した当時その者によって生計を維持していた子とみなし、その出生の月の翌月から年金額を改定する。



■解説

(A)正解
法附則4条の3第7項
適用事業所に使用される70歳以上の高齢任意加入者の保険料負担については、原則として全額自己負担となっているが、事業主が同意をした場合においては、折半負担とすることもできるとされている。
ただし、事業主が同意をしない場合であっても、標準報酬の届出など一定の事務は事業主が行わなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主については、この規定は、適用しないこととされている。(法附則4条の3第10項)

(B)誤り
法50条の2
障害等級の1級又は2級の障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者がいるときには、配偶者加給年金額が加算されることになっている。
そして、障害厚生年金の受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有することになり配偶者加給年金額が加算されるようになったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額が改定されることになる。
よって、「配偶者加給年金額は加算されない。」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
平成23年3月31日年発0331第9号
標準報酬月額の定時決定に当たって基準となる4月から6月の報酬の月平均額と、年間の報酬の月平均額とが著しく乖離する場合に配慮し、平成23年4月1日より、当年の4、5、6月の3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までの間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差を生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合には、事業主の申し立て等に基づき、報酬月額の保険者算定の対象とすることが可能になった。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法附則11条の6
雇用保険法による高年齢雇用継続給付と在職老齢年金は、個人に対して同一時期に支給される公的な現金給付であり、また、高年齢雇用継続給付は失業給付と同質の給付であることに鑑み、失業給付の場合と同様、高年齢雇用継続給付の受給者については、在職老齢年金について一定の調整を行うものとされている。
調整方法の基本的な考え方は、高年齢雇用継続給付が賃金額に応じてその一定割合(15%)を支給する給付であることに鑑み、賃金と年金の調整方法に準じつつ、雇用継続の援助促進という高年齢雇用継続給付の趣旨を考慮して賃金との調整よりも緩和するとともに、年金制度の枠内での事務処理も考慮し、老齢厚生年金について、原則として、受給者の標準報酬月額の約6%を限度に年金を支給停止することとしている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法44条3項
厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金の受給権者に一定の子がある場合には加給年金額が加算されることになっているが、受給権者がその権利を取得した当時胎児であった子が出生したときは、その子は、受給権者がその権利を取得した当時その者によって生計を維持していた子とみなし、その出生の月の翌月から年金額が改定されることになる。
よって、問題文は正解となる。

  

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