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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成27年厚年-第8問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)老齢厚生年金の支給繰上げの請求は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない。

(B)保険料を徴収する権利が時効によって消滅したときは、当該保険料に係る被保険者であった期間に基づく保険給付は行われないが、当該被保険者であった期間に係る被保険者資格の取得について事業主の届出があった後に、保険料を徴収する権利が時効によって消滅したものであるときは、この限りでないとされている。

(C)障害厚生年金を受ける権利は、譲り渡し、又は差し押えることはできず、また、障害厚生年金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課すこともできない。

(D)厚生労働大臣は、政令で定める場合における保険料の収納を、政令で定めるところにより、日本年金機構に行わせることができる。日本年金機構は、保険料等の収納をしたときは、遅滞なく、これを日本銀行に送付しなければならない。

(E)在職老齢年金を受給する者の総報酬月額相当額が改定された場合は、改定が行われた月の翌月から、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、年金額が改定される。



■解説

(A)正解
法附則7条の3第2項
老齢厚生年金の繰上げ請求は老齢基礎年金の繰上げ請求と同時に行う必要がある。
よって、問題文は正解となる。
なお、老齢厚生年金の支給の繰下げの申出と、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出は同時に行わなくてもよい。(法44条の3、国年法28条、平成19年3月29日庁保険発329009号)

(B)正解
法75条
厚生年金保険は、被保険者であっても保険料を徴収できない期間については、保険給付を制限することとしている。被保険者資格の届出がなされない場合、保険料の徴収を行うことが困難であることから、時効によって消滅した保険料にかかる期間については保険給付の対象外としている。ただし、被保険者資格の届出又は確認の請求があれば、保険者は被保険者資格について認知したこととされるため、通常通どおり保険給付が行われることとしている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法41条1項
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができないことになっている。
例外として、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供すること及び老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることは認められている。
また、老齢厚生年金を除いて、保険給付として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課することは認められていない。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法100条の11
厚生労働大臣は、会計法第7条第1項の規定にかかわらず、政令で定める場合における保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金、年金たる保険給付の過誤払による返還金その他の厚生労働省令で定めるもの(保険料等)の収納を、政令で定めるところにより、日本年金機構に行わせることができることになっている。
そして、日本年金機構は、保険料等の収納をしたときは、遅滞なく、これを日本銀行に送付しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法46条
在職老齢年金の計算において受給者の総報酬月額相当額が改定された場合は、改定が行われた月から、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算されることになる。
よって、「改定が行われた月の翌月から」とした問題文は誤りとなる。

  

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