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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年厚年-第8問(保険料等)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者の配偶者が出産した場合であっても、所定の要件を満たす被保険者は、厚生年金保険法第26条に規定する3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例の申出をすることができる。

(B)産前産後休業期間中の保険料の免除の適用を受ける場合、その期間中における報酬の支払いの有無は問われない。

(C)在籍出向、在宅勤務等により適用事業所以外の場所で常時勤務する者であって、適用事業所と常時勤務する場所が所在する都道府県が異なる場合は、その者の勤務地ではなく、その者が使用される事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用する。

(D)7月1日前の1年間を通じ4回以上の賞与が支給されているときは、当該賞与を報酬として取り扱うが、当該年の8月1日に賞与の支給回数を、年間を通じて3回に変更した場合、当該年の8月1日以降に支給される賞与から賞与支払届を提出しなければならない。

(E)第1号厚生年金被保険者に係る保険料は、法人たる納付義務者が破産手続開始の決定を受けたときは、納期前であっても、すべて徴収することができる。



■解説

(A)正解
法26条1項
3歳未満の子を養育する期間の各月(被保険者の申出があった日前の2年間にある月に限る。)の標準報酬月額が、子の養育を開始した月の前月(当該月に被保険者でない場合には、当該月前1年以内の直近の被保険者であった月。以下「基準月」という。)の標準報酬月額(以下「従前標準報酬月額」という。)を下回る場合には、従前標準報酬月額を当該下回る月の標準報酬月額とみなして年金額を計算することとしている。
この措置は、配偶者が出産した場合でも対象となる。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法81条の2の2
産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、実施機関に申出をしたときは、当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間の保険料が免除されることになっている。この産前産後休業期間中の保険料の免除は、休業期間中における報酬の支払の有無は問われない。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
平成25年2月4日年管管発0204第1号
在籍出向、在宅勤務等により適用事業所以外の場所で常時勤務する者については、適用事業所と常時勤務する場所が所在する都道府県が異なる場合は、その者の勤務地ではなく、その者が使用される事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用することとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、(1)派遣労働者については、派遣元事業所において社会保険の適用を受けるが、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合は、派遣元事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用すること、(2)トラックの運転手や船員等の常時勤務する場所の特定が困難な者については、その者が使用される事業所が所在する都道府県(船員については当該船員が乗り組む船舶の船舶所有者の住所が属する都道府県)の現物給与の価額を適用することとされている。

(D)誤り
昭和53年6月20日保発第47号・庁保発第21号
毎年7月1日現在における賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもので毎月支給されるもの(通常の報酬)以外のもの(賞与)の支給実態がつぎのいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当することとされている。
(1)賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定(諸規定)によって年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているとき。
(2)賞与の支給が7月1日前の1年間を通じ4回以上行われているとき。
したがって、賞与の支給回数が、当該年の7月2日以降新たに年間を通じて4回以上又は4回未満に変更された場合においても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものであることとされている。
問題文の事例の場合は、翌年の定時決定等により新たな標準報酬月額が決定されるまでの間に支給された賞与については、賞与支払届の提出は必要ない。
よって、問題文は誤りとなる。

(E)正解
法85条
保険料は、次に該当する場合においては、納期前であっても、すべて徴収することができることになっている。
1.納付義務者が、次のいずれかに該当する場合
(1)国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。
(2)強制執行を受けるとき。
(3)破産手続開始の決定を受けたとき。
(4)企業担保権の実行手続の開始があったとき。
(5)競売の開始があったとき。
2.法人たる納付義務者が、解散をした場合
3.被保険者の使用される事業所が、廃止された場合
4.被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合
よって、問題文は正解となる。

  

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