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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成15年雇用-第1問(雇用保険の適用事業)
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■平成15年雇用-第1問(雇用保険の適用事業)

雇用保険の適用事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)個人経営の水産の事業で、年間を通じて事業は行われるが、季節の影響を強く受け、繁忙期の8か月間は7人の労働者を雇用し、残りの4か月間は2人の労働者を雇用するのが通例である場合、暫定任意適用事業となる。

(B)株式会社や有限会社などの営利法人が行う事業は常に適用事業となるが、公益法人の行う事業は、一定の要件に該当する限り、暫定任意適用事業となり得る。

(C)同じ事業主が適用事業に該当する部門と暫定任意適用事業に該当する部門とを兼営している場合、それぞれの部門が独立した事業と認められるならば、適用事業に該当する部門のみが適用事業となる。

(D)暫定任意適用事業の事業主は、その事業に使用される労働者の2分の1以上の同意を得なければ任意加入の申請を行うことはできず、また、その事業に使用される労働者の2分の1以上が希望するときは、任意加入の申請を行わなければならない。

(E)適用事業が労働者の減員によって暫定任意適用事業に該当するに至った場合、その翌日に当該事業について任意加入の認可があったものとみなされるので、事業主が任意加入の認可の手続を行う必要はない。



■解説

(A)正解
法5条、昭和53年9月22日雇保発第32号
個人経営の水産の事業で、年間を通じて事業は行われるが、事業が季節の影響を強く受け、一定期間雇用労働者が5人未満に減少することが通例である場合には、常時5人以上とは解されず、当該事業は暫定任意適用事業に当たるとされている。

(B)誤り
法5条、法附則2条1項、行政手引20104
事業の種類や規模のいかんを問わず、労働者が雇用される事業は強制適用事業となっている。
また、国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業及び法人である事業主の事業については、暫定任意適用事業に該当することはないので、法人が行う事業は常に適用事業となる。
よって、「公益法人の行う事業は、一定の要件に該当する限り、暫定任意適用事業となり得る」とした問題文は誤りである。
なお、法人とは、私法人、公法人、特殊法人、公益法人、中間法人(協同組合等)、営利法人(会社)を問わず、法人格のある社団、財団のすべてが含まれるとされている。

(C)正解
法5条、行政手引20106
同じ事業主が適用事業に該当する部門と暫定任意適用事業に該当する部門とを兼営している場合、それぞれの部門が独立した事業と認められるときは、適用事業に該当する部門のみが適用事業となるとされている。
なお、一方が他方の一部門にすぎず、それぞれの部門が独立した事業と認められない場合で、主たる業務が適用部門であるときは、当該事業主の行う事業全体が適用事業になるので注意すること。

(D)正解
徴収法附則2条、行政手引20154
暫定任意適用事業の事業主は、その事業に使用される労働者の2分の1以上(その事業が任意加入の認可を受けて適用事業となっても被保険者にならない労働者を除いた労働者の2分の1以上)の同意を得なければ任意加入の申請を行うことはできない。
なお、任意加入の認可があった場合は、加入の同意をしなかった者(加入を希望しない者)も含めて適用を受けることになる。(適用は事業所単位であるため)
また、その事業に使用される労働者の2分の1以上が希望するときは、事業主は、任意加入の申請を行わなければならない。
労働者の2分の1以上が希望するのに事業主が加入申請を行わない場合、または、加入希望者に対して不利益な取扱いをした場合は、その事業主は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる。(徴収法附則7条)

(E)正解
徴収法附則2条4項、行政手引20157
適用事業が労働者数の減少等によって、暫定任意適用事業に該当するようになった場合は、その日の翌日に自動的に任意加入の認可があったものとみなされることになっている。
なお、特に手続き等は必要ないとされている。

  

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