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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成19年雇用-第5問(教育訓練給付)
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■平成19年雇用-第5問(教育訓練給付)

教育訓練給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する教育訓練とし、「教育訓練の受講のために支払った費用」とは、雇用保険法第60条の2第4項に規定する厚生労働省令で定める範囲内のものとし、教育訓練の開始日は平成19年10月1日以降とする。


(A)教育訓練給付金は、教育訓練を修了した場合に支給されるものであり、途中で受講を中止して当該教育訓練を修了しなかった場合には受給することができない。

(B)教育訓練の指定基準によれば、趣味的・教養的な教育訓練や、入門的・基礎的な水準の教育訓練は、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練とは認められず、教育訓練給付金の支給対象とならない。

(C)支給要件期間が30年の者が教育訓練の受講のために支払った費用が60万円である場合、受給できる教育訓練給付金の額は10万円である。(一部改正)

(D)支給要件期間が3年の者が教育訓練の受講のために支払った費用が5万円である場合、受給できる教育訓練給付金の額は1万円である。

(E)教育訓練給付金の支給を受けるためには、原則として、対象となる教育訓練の受講が修了した日の翌日から起算して3か月以内に、管轄の公共職業安定所長に教育訓練給付金支給申請書を提出しなければならない。



■解説

(A)正解
法60条の2第1項
教育訓練給付金は、一般被保険者又は一般被保険者であった者が、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定した教育訓練を受け、その対象教育訓練を修了した場合において、支給要件期間が3年以上(初めて教育訓練給付の支給を受けようとする場合に限り1年以上)であるときに支給されることとされている。
よって、教育訓練給付金は、対象教育訓練を修了した場合にのみ支給され、途中で受講を中止した場合や修了試験を適切に受験していない場合等は対象とならない。
これは、教育訓練を確実に修了した場合に、初めて教育訓練の受講による職業能力開発の効果が確実なものとなり、雇用の安定及び就職の促進に結びつくためであり、この要件を満たさない場合、給付の対象とすることは不適切であるためであるとされている。

(B)正解
法60条の2第1項、教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準
教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練は、労働者の職業能力の開発及び向上に資する職業に関する教育訓練であって、労働力需要の状況等にかんがみ、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な教育訓練と認められるものであるとされており、次に該当するような教育訓練は対象とならないとされている。
(1)趣味的又は教養的な教育訓練
(2)入門的又は基礎的な水準の教育訓練
(3)職業関係の免許資格に係る試験又は検定の準備のための教育訓練のうち、当該教育訓練に係る免許資格又は検定が、職業能力を評価するものとして社会一般に認知されていないもの
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法60条の2第4項、則101条の2の5、則101条の2の6
教育訓練給付金の給付額は、支給対象者が教育訓練の受講のために支払った費用に100分の20を乗じて得た額とされているが、教育訓練の受講に要する費用の額に高低さまざまなものがある中、公的制度としての公平性を確保する観点等からその支給額に上限が設けられており現在その額は10万円とされている。
問題文の場合、教育訓練の受講のために支払った費用60万円の20%は12万円であるが、上限額が適用され、支給額は10万円となる。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法60条の2第4項、則101条の2の5
教育訓練給付金の給付額は、支給対象者が教育訓練の受講のために支払った費用に100分の20を乗じて得た額とされている。(上限額が設けられており、その額は10万円とされている。)
問題文の場合、教育訓練の受講のために支払った費用5万円の20%である1万円(10万円以下なので上限額は適用されない)が支給額となる。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法60条の2、則101条の2の8第3項
教育訓練給付金の支給を受けるためには、原則として、対象となる教育訓練の受講が修了した日の翌日から起算して1か月以内に、管轄の公共職業安定所長に教育訓練給付金支給申請書を提出する必要がある。
よって、「3か月以内」とした問題文は誤りとなる。
なお、天災その他提出しなかったことについてやむを得ない理由によって、1か月以内に申請書を提出できなかったときは、1か月を超えても支給申請を行うことが可能である。

  

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