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トップページ > 過去問研究室(雇用保険法)> 平成21年雇用-第1問(雇用保険の被保険者) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
雇用保険の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下において「一般被保険者」とは高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除いた被保険者をいうものとする。 (A)同居の親族のみを使用する事業は原則として適用事業から除外されるが、事業主が当該事業に使用される親族の2分の1以上の同意に基づき都道府県労働局長に任意加入の申請を行って認可を受けた場合には、それらの全員が被保険者となる。 (B)日本に在住する外国人が、いわゆる常用型の派遣労働者として特定労働者派遣事業者である適用事業に週に40時間雇用されている場合には、外国公務員又は外国の失業補償制度の適用を受けていることが立証された者を除き、国籍(無国籍を含む。)のいかんを問わず被保険者となる。 (C)通常の労働者の1週間の所定労働時間が40時間である適用事業で、1週間の所定労働時間を25時間、雇用契約の期間を2年間と定めて雇用された満62歳の労働者は、一般被保険者となることはできない。 (D)満30歳の短期雇用特例被保険者が同一の事業主に引き続き6か月以上雇用されるに至った場合、その6か月以上雇用されるに至った日以後は、短期雇用特例被保険者ではなく一般被保険者となる。 (E)適用区域外の地域に居住する日雇労働者が、適用区域内にある適用事業に雇用される場合、公共職業安定所長に任意加入の申請をして認可を受ければ、日雇労働被保険者となる。
(A)誤り 法4条1項、行政手引20369 個人事業の事業主と同居している親族は、原則として、被保険者としない。 法人の代表者と同居している親族については、通常の被保険者の場合の判断と異なるものではないが、形式的には、法人であっても、実質的には代表者の個人事業と同様と認められる場合(例えば、個人事業主が税金対策等のためにのみ法人としている場合、株式や出資の全部又は大部分を当該代表者やその親族のみで保有して取締役会や株主総会等がほとんど開催されていないような状況にある場合のように、実質的に法人としての活動が行われていない場合)があり、この場合は、個人事業主と同居の親族の場合と同様、原則として被保険者としない。 なお、個人事業、法人のいずれについても同居の親族が、次の(1)から(3)までの条件を満たす場合は、被保険者として取り扱うこととされている。 (1)業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること (2)就業の実態が当該事務所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。特に(イ)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等、(ロ)賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等について就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること (3)事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと よって、「事業主が当該事業に使用される親族の2分の1以上の同意に基づき都道府県労働局長に任意加入の申請を行って認可を受けた場合には、それらの全員が被保険者となる」とした問題文は誤りとなる。 (B)正解 法4条1項、行政手引20355 一般労働者派遣事業に雇用される労働者のうち常時使用される労働者及び特定労働者派遣事業に雇用される労働者については、派遣労働者以外の労働者の場合と同様に被保険者となるか否か判断することとされている。 そして、日本国に在住する外国人は、外国公務員及び外国の失業補償制度の適用を受けていることが立証された者を除き、国籍(無国籍を含む。)の如何を問わず被保険者となる。 よって、問題文は正解となる。 なお、外国人であって、被保険者となるべき者のうち、外国において雇用関係が成立した後、日本国内にある事業所に赴き勤務している者については、雇用関係が終了した場合、又は雇用関係が終了する直前において帰国するのが通常であって、受給資格を得ても求職者給付は受け得ないので、これらの者については被保険者としないこととされている。 (C)誤り 法4条1項、行政手引20368 短時間就労者(その者の1週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される労働者の1週間の所定労働時間よりも短く、かつ、40時間未満である者をいう。)については、その者の労働時間、賃金その他の労働条件が就業規則(就業規則の作成義務が課されていない事業所にあっては、それに準ずる規程等)、雇用契約書、雇入通知書等に明確に定められていると認められる場合であって、次のいずれにも該当するときに限り、被保険者として取り扱い、これに該当しない場合は、原則として、被保険者として取り扱わない。 (1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること (2)31日以上引き続き雇用されることが見込まれること よって、本問の労働者は、一般被保険者の要件に該当することになるため「一般被保険者となることはできない」とした問題文は誤りとなる。 (D)誤り 法38条1項、行政手引20451 短期雇用特例被保険者が、同一の事業主に引き続いて雇用された期間が1年以上となるに至った日以後は、短期雇用特例被保険者でなくなり、一般被保険者となる。 よって、「6か月以上」とした問題文は誤りとなる。 なお、法改正により平成22年4月1日から短期の雇用(同一の事業主に引き続き被保険者として雇用される期間が1年未満である雇用をいう)に就くことを常態とする者(短期常態者)については、新たに一般被保険者として適用されることになったが、経過措置として、平成22年4月1日以降における雇入れにおいて、次の@からCのいずれにも該当する者については、引き続き、短期常態者である短期雇 用特例被保険者として適用されることとされている。 @同一の事業主であること A特例一時金を受給していないこと B離職日の翌日から6か月以内の取得であること C1年未満の短期の雇用であること (E)誤り 法43条1項 日雇労働被保険者は、被保険者である日雇労働者であって、次のいずれかに該当するもの及び公共職業安定所長に任意加入の申請をし、認可を受けたものをいう。 (1)適用区域に居住し、適用事業に雇用される者 (2)適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者 (3)適用区域外の地域に居住し、適用区域外の地域にある適用事業であって、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて厚生労働大臣が指定したものに雇用される者 よって、本問の場合、任意加入の認可を受けることなく日雇労働被保険者となるため「公共職業安定所長に任意加入の申請をして認可を受ければ」とした問題文は誤りとなる。 |
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