社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成23年雇用-第6問(育児休業給付及び介護休業給付)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成23年雇用-第6問(育児休業給付及び介護休業給付)

育児休業給付及び介護休業給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問の被保険者には、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を含めないものとし、また、育児休業の開始日は平成22年6月30日以降であるものとする。

(A)被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者が、その子が1歳に達する日以前にその子を養育するために育児休業している場合、当該被保険者は、一定の要件を満たせば、その子が1歳2か月に達する日の前日までに自らが取得した育児休業について、育児休業給付金の支給を受けることができるが、支給対象となる期間は、配偶者との合計で1年が上限となる。

(B)被保険者の配偶者の祖父母は、当該被保険者が同居し、かつ、扶養している場合であっても、介護休業給付の支給に関して対象家族に含まれない。

(C)育児休業給付金の支給を受けた者は、その支給に係る休業の期間中被保険者として雇用されていた事業主に当該休業の終了後引き続き3か月間雇用されたことの証明を、当該3か月の経過後速やかに、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

(D)事業主が雇用保険に関する届出等の手続を怠っていたため、雇用保険法第22条第5項が定める特例によって、被保険者の確認があった日の2年前の日よりも前に被保険者となったものとされる被保険者の場合であっても、育児休業給付及び介護休業給付の受給要件であるみなし被保険者期間に関しては、被保険者の確認があった日の2年前の日よりも前の期間は算入されない。

(E)育児休業期間中に事業主から賃金が支払われる場合、ある支給単位期間における賃金額が、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の40以下であれば、当該支給単位期間における育児休業給付金の金額は、その賃金額によって変動することはない。



■解説

(A)誤り
法61条の4、則101条の11の3
被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)が当該子の1歳に達する日以前のいずれかの日において当該子を養育するための育児休業をしている場合、当該被保険者は、一定の要件を満たすことにより、その子が1歳2か月に達する日の前日までに自らが取得した育児休業について、育児休業給付金の支給対象となるが、支給対象となる期間は、被保険者と被保険者の配偶者それぞれについて1年間(当該子を出産した者については産前休業の末日(子の出生日)と産後休業期間及び育児休業給付金を受給できる期間を合わせて1年間となる。)
よって、「配偶者との合計で1年が上限となる」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
法61条の6、則101条の17
介護休業給付金の対象となる家族の範囲は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、父母(養父母も含む。)、子(養子を含む。)配偶者の父母(養父母も含む。)のほか、被保険者が同居し、かつ、扶養している被保険者の祖父母、兄弟姉妹、孫とされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法61条の4、法61条の5ほか
問題文に記述されているような規定は存在しないため、問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法14条2項、法61条の4
育児休業給付及び介護休業給付の受給要件であるみなし被保険者期間は、当該休業を開始した日を被保険者でなくなった日とみなして、当該休業を開始した日の前日からさかのぼって1か月ごとに区分し、その区分された期間のうち11日以上賃金支払基礎日数がある場合にその月を1か月として計算することとされているが、次の期間については、被保険者であった期間には含めないこととされている。
(1)最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得したことがある場合には、当該受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間
(2)被保険者となったことの確認があった日の2年前の日(法22条第5項に規定する特例対象者にあっては、被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日)前における被保険者であった期間
よって、問題文の場合、みなし被保険者期間に関しても保険者となったことの確認があった日の2年前の日よりも前の期間を算入することになり、「2年前の日よりも前の期間は算入されない」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法61条の4、法附則12条
育児休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合において、賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の30(休業日数が通算して180日に達するまでの間は100分の13)に相当する額以下であるときは、当該支給対象期間における育児休業基本給付金の額は、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の50(休業日数が通算して180日に達するまでの間は100分の67)に相当する額が支給されることになっている。
よって、「100分の40以下」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
事業主から賃金が支払われた場合の育児休業基本給付金(暫定措置による金額)
支給単位期間の賃金額 育児休業基本給付金の額
(休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の30以下の場合 (休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の50
(休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の30を超え、(休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の80未満の場合 (休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の80から賃金額を控除した額
(休業開始時賃金日額×支給日数)の100分の80以上の場合 不支給
※休業日数が通算して180日に達するまでの間は「100分の30」を「100分の13」に、「100分の50」を「100分の67」とする。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(雇用保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved