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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成25年雇用-第5問(雇用継続給付)
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■平成25年雇用-第5問(雇用継続給付)

雇用継続給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問A及びC並びにEの「被保険者」には、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は含めないものとする。(一部改正)

(A)事業主は、当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者。)との間に書面による協定がないときであっても、所定の要件を満たすことにより、被保険者に代わって、支給申請を行うべき月ごとに、高年齢雇用継続給付支給申請書の提出をすることができる。(参考問題)

(B)高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書に記載された事項については、事業主の証明を受けなければならない。

(C)被保険者は、初めて育児休業給付金の支給を受けようとするときは、育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出を、雇用保険法第61条の4第3項に規定する支給単位期間の初日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までにしなければならない。(一部改正)

(D)高年齢雇用継続給付は、高年齢被保険者に支給されることはない。(一部改正)

(E)
被保険者が同居し、又は、扶養している当該被保険者の祖父母、兄弟姉妹及び孫を介護するために被保険者が休業をし、所定の要件を満たしたときには、介護休業給付金が支給される。(参考問題)



■解説

(A)誤りだった
事業主が被保険者本人に代わって、高年齢雇用継続給付支給申請書の提出を行うためには、次の要件を満たす必要があった。
(1)その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときは、労働組合と事業主との間に書面による協定があること。
(2)その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者と事業主との間に書面による協定があること。
よって、「所定の要件を満たすことにより、被保険者に代わって、支給申請を行うべき月ごとに、高年齢雇用継続給付支給申請書の提出をすることができる。」とした問題文は誤りであったが、法改正により平成28年2月16から雇用継続給付の支給申請手続きについて、労使協定により、事業主が被保険者本人に代わって行う規定が廃止されたため参考問題とする。
なお、改正後の雇用継続給付の支給申請手続は、原則として、事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に対して行うこととされている。(則101条の5)

(B)正解
法61条、則101条の5
高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書及び高年齢雇用継続給付支給申請書に記載された事項については、事業主の証明を受けなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法61条の4、則101条の13
被保険者が初めて育児休業給付金の支給を受ける場合は、原則として、事業主を経由して育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書を支給単位期間の初日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日までに提出しなければならないことになっている。
よって、「2か月を経過する日の属する月の末日まで」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法61条、法61条の2
高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となる月は、被保険者が60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までの期間内にあるすべての月である。また、高年齢再就職給付金の支給対象となる期間は、当該受給資格者の就職日の前日における支給残日数等に応じて被保険者になった日の翌日から1年又は2年を経過した日の属する月までとされているが、当該1年又は2年を経過する日の前に65歳に達する日がある場合には、当該65歳に達する日の属する月までとされている。
そして、高年齢被保険者は、65歳に達した日以後の日において雇用されているもの(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)をいう。
そのため、65歳に達した日の属する月のみ、高年齢被保険者に対しても高年齢雇用継続給付が支給される場合がある。
よって、「高年齢被保険者に支給されることはない。」とした問題文は誤りとなる。
なお、高年齢雇用継続給付は、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者には支給されない。

(E)誤りだった
法61条の6、則101条の17
介護休業給付金は被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は除く。)が対象家族を介護するために休業した場合において、当該休業を開始した日前2年間(当該介護休業を開始した日前2年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間))に「みなし被保険者期間」が通算して12か月以上であったときその他一定の要件を満たしたときに支給単位期間について支給されることになっている。
このうち対象家族の範囲は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、父母(実父母のみならず養父母も含む。)、子(実子のみならず養子を含む。)、配偶者の父母(実父母のみならず養父母も含む。)のほかに被保険者が同居し、かつ扶養している、被保険者の祖父母、兄弟姉妹、孫とされていたため、「同居し、又は、扶養している当該被保険者の祖父母、兄弟姉妹及び孫」とした問題文は誤りであった。
しかしながら、法改正により、平成29年1月1日より、介護休業給付金の支給対象となる家族の範囲について、被保険者の祖父母、兄弟姉妹、孫について「同居し、かつ扶養している」の要件が廃止されたため参考問題とする。
なお、介護休業は対象家族1人につき、原則として、1回93日を限度としていたが、通算93日の範囲で、3回を上限として、分割して取得することが可能となった。

  

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