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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成26年雇用-第6問(就職促進給付)
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■平成26年雇用-第6問(就職促進給付)

就職促進給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)基本手当の受給資格者が、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上の支給残日数があったとしても、離職前の事業主に再び雇用されたときは、就業手当を受給することができない。

(B)受給資格者が離職理由による給付制限を受け、雇用保険法第21条に定める待期の期間満了後の1か月の期間内に事業を開始したときは再就職手当を受給することができない。

(C)移転費は、受給資格者が「公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者」の紹介した職業に就くため、その住所及び居所を変更しなければ、受給することができない。(一部改正)

(D)広域求職活動費の支給を受けた受給資格者が公共職業安定所の紹介した広域求職活動の一部を行わなかったときは、受給した広域求職活動費から現に行った広域求職活動について計算した広域求職活動費を減じた額を返還しなければならない。(参考問題)

(E)偽りその他不正な行為により就職促進給付を受けたことにより処分を受けた者が、給付を受けた日以後新たに受給資格を取得した場合には、その受給資格に基づく就職促進給付を受けることができる。



■解説

(A)正解
法56条の3第1項、則82条1項
就業手当は、安定した職業以外の職業に就いた受給資格者が、その職業に就いた日(就職日)の前日における基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上であるときに支給されることになっており、就業している日ごとに基本手当日額の30%に相当する額が支給される。
そして、就業手当の支給を受けるための基準は次のとおりとされている。
(1)離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
(2)待期が経過した後、職業に就き又は事業を開始したこと
(3)受給資格による離職について離職理由に基づく給付制限を受けた場合において、待期期間の満了後1か月間については、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により職業についたものであること
(4)雇い入れをすることを受給資格の決定に係る求職の申し込みをした日前に約した事業主に雇用されたものでないこと
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法56条の3第1項、則82条1項、則82条の2
再就職手当は、安定した職業に就いた受給資格者(1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就き、又は事業(当該事業により当該受給資格者が自立することができると公共職業安定所長が認めたものに限る。)を開始した受給資格者であって、就業促進手当を支給することが当該受給資格者の職業の安定に資すると認められるものとする。)が、その職業に就いた日(就職日)の前日における基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上であるときに支給されることになっている。
支給額は一時金で、基本手当日額に、支給残日数に相当する日数に50%(就職日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上であるときは60%)を乗じて得た数を乗じて得た額とされている。
そして、就業手当の支給を受けるための基準は次のとおりとされている。
(1)離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
(2)待期が経過した後、職業に就き又は事業を開始したこと
(3)受給資格による離職について離職理由に基づく給付制限を受けた場合において、待期期間の満了後1か月間については、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により職業についたものであること
(4)雇い入れをすることを受給資格の決定に係る求職の申し込みをした日前に約した事業主に雇用されたものでないこと
(5)就職日前3年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法58条1項、則86条
受給資格者等が公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介した職業に就くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所又は居所を変更する必要がある場合には、移転費の支給を受けることができる。
よって、公共職業安定所の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所又は居所を変更する必要がある場合にも移転費は支給されるため問題文は誤りの肢となる。
なお、支給対象となるのは、受給資格者等が公共職業安定所等の紹介した通勤可能の圏外の就職先に赴くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、現在の住所又は居所を変更する必要がある場合であるが、住所又は居所を変更する必要の有無は、一定の基準にしたがって公共職業安定所長が認定するのであって、その住所又は居所を変更したこと自体によって移転費が支給されるものではない。

(D)正解だった
受給資格者等が、公共職業安定所の紹介により広域求職活動を行う場合には、広域求職活動費の支給を受けることができた、その支給を受けた受給資格者等は、公共職業安定所の紹介した広域求職活動の全部又は一部を行わなかったときは、その事実が確定した日の翌日から起算して10日以内に管轄公共職業安定所長にその旨を届け出るとともに、次の区分に応じ、区分ごとに定める額を返還しなければならなかった。
(1)公共職業安定所の紹介した広域求職活動の全部を行わなかったときは、支給した広域求職活動費に相当する額
(2)公共職業安定所の紹介した広域求職活動の一部を行わなかったときは、支給した広域求職活動費から現に行った広域求職活動について計算した広域求職活動費を減じた額
しかしながら、法改正により平成29年1月1日より従来の広域求職活動費の名称が求職活動支援費に改正となり、受給資格者等が求職活動に伴い次の各号のいずれかに該当する行為をする場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給することとされた。
(1)公共職業安定所の紹介による広範囲の地域にわたる求職活動(広域求職活動費)
(2)公共職業安定所の職業指導に従って行う職業に関する教育訓練の受講その他の活動(短期訓練受講費)
(3)求職活動を容易にするための役務の利用(求職活動関係役務利用費)
そして、広域求職活動費の支給申請は、公共職業安定所の紹介による広域求職活動を終了してから、支給申請することとされたため、返還の規定は削除された。
よって、本問は参考問題とする。

(E)正解
法60条2項
偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者については、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、就職促進給付は支給されないことになっている。
しかしながら、これらの者が不正の行為の日以後新たな受給資格、高年齢受給資格、特例受給資格を取得した場合又は日雇受給資格者となった場合には、その受給資格、特例受給資格、高年齢受給資格又は日雇受給資格者たる資格に基づく就職促進給付は支給されることになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

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