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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成28年雇用-第4問(基本手当の受給期間)
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■平成28年雇用-第4問(基本手当の受給期間)

基本手当の受給期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)受給資格者が、受給期間内に再就職して再び離職した場合に、当該再離職によって新たな受給資格を取得したときは、前の受給資格に係る受給期間内であれば、前の受給資格に基づく基本手当の残日数分を受給することができる。

(B)配偶者の出産のため引き続き30日以上職業に就くことができない者が公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算した期間、受給期間が延長される。

(C)雇用保険法第22条第2項第1号に定める45歳以上65歳未満である就職が困難な者(算定基礎期間が1年未満の者は除く。)の受給期間は、同法第20条第1項第1号に定める基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間である。

(D)定年に達したことで基本手当の受給期間の延長が認められた場合、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日があるときでも受給期間はさらに延長されることはない。

(E)60歳以上の定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職したときでも、理由の如何を問わず受給期間の延長が認められる。



■解説

(A)誤り
法20条3項
受給資格者が、受給期間中に新たに雇用され、新たに受給資格、高年齢受給資格、特例受給資格の受給要件を満たした場合は、新たな受給資格に基づいてのみ基本手当等が支給される。また、前の受給資格の基礎になった被保険者期間は、新しい受給資格の基礎となる被保険者期間には算入されない。
よって、「基本手当の残日数分を受給することができる。」とした問題文は誤りとなる。
なお、受給資格者が、受給期間中に新たに雇用された場合で、新たな受給資格の要件を満たすことなく再び離職したときは、前の受給資格に基づく残りの基本手当を受給期間中であれば受けることができる。

(B)誤り
法20条1項、則30条、行政手引50271
受給期間内に、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合には、受給期間の延長が認められることになっている。
このうち、「出産」については、次のとおりとされている。
出産は、妊娠4か月以上(1か月は28 日として計算する。したがって、4か月以上というのは85日以上のことである。)の分娩とし、生産、死産、早産を問わない。出産は本人の出産に限られる。出産のため職業に就くことができないと認められる期間は、通常は、出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)前の日以後出産の日の翌日から8 週間を経過する日までの間である。
よって、「配偶者の出産」の場合は受給期間の延長は認められないため、誤りの肢となる。

(C)正解
法20条1項
受給期間は、基本手当の受給資格に係る離職の日の翌日から起算して1年間を基本とするものであるが、所定給付日数が多い者については、受給資格決定等の手続きに要する時間を勘案すると所定給付日数分の支給日が受給期間を超える場合も想定されることから、このような不都合が生じないよう、所定給付日数が360日である、基本手当の受給資格に係る離職の日(基準日)において45歳以上65歳未満で算定基礎期間が1年以上の就職困難者については、基準日の翌日から起算1年に60日を加えた期間が受給期間とされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法20条、行政手引50286
定年退職者等の受給期間とされた期間内に、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合にはさらに受給期間の延長が認められることとされている。この場合、定年退職者等の受給期間とされた期間に加えることができる日数は、疾病又は負傷等の理由により職業に就くことができない期間の日数であるが、当該期間の全部又は一部が、猶予期間内にあるときは、当該疾病又は負傷等の理由により職業に就くことができない期間のうち猶予期間内にない期間分の日数とされている。なお、加えた期間が4年を超えるときは、受給期間は4年となる。
よって、「受給期間はさらに延長されることはない。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
行政手引50281
受給期間の延長は、次のいずれかの理由により離職した者(当該離職により受給資格を取得した者に限る。以下「定年退職者等」という。)について認められる。
(1) 60歳以上の定年に達したこと
(2) 60歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
(3)船員が50歳以上の定年に達したこと
(4)船員が50歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
よって、受給期間の延長は、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したことが必要であるので、例えば、定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、これに該当しないことになるため、問題文は誤りの肢となる。

  

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