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トップページ過去問研究室(雇用保険法) 平成29年雇用-第5問(高年齢被保険者)
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■平成29年雇用-第5問(高年齢被保険者)

高年齢被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)高年齢求職者給付金の支給を受けた者が、失業の認定の翌日に就職した場合、当該高年齢求職者給付金を返還しなければならない。

(B)疾病又は負傷のため労務に服することができない高年齢被保険者は、傷病手当を受給することができる。

(C)雇用保険法第60条の2に規定する支給要件期間が2年である高年齢被保険者は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合、他の要件を満たしても教育訓練給付金を受給することができない。

(D)高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、公共職業安定所において、離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について、失業の認定を受けなければならない。

(E)雇用保険法によると、高年齢求職者給付金の支給に要する費用は、国庫の負担の対象とはならない。



■解説

(A)誤り
行政手引54201
高年齢受給資格者に対しては、求職者給付として高年齢求職者給付金が支給されるが、この高年齢求職者給付金というのは、基本手当等と異なり、失業している日数に対応して支給されるものでなく、失業の状態にあれば支給されるものである。
すなわち、失業の認定の日に失業の状態にあればよいのであり、翌日から就職したとしても返還の必要はないものとされている。
よって、「当該高年齢求職者給付金を返還しなければならない。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法37条の2、行政手引54201
高年齢受給資格者に対しては、基本手当、各種延長給付(訓練延長給付、広域延長給付及び全国延長給付)、技能習得手当、寄宿手当及び傷病手当の支給がなされないのは当然であり、また、就業促進手当(常用就職支度手当を除く)も支給されない。
よって、「傷病手当を受給することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法60条の2第1項、法附則11条
過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて教育訓練給付金を受けようとする者については 、支給要件期間が1年以上あれば受給可能なので、支給要件期間が2年である高年齢被保険者は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合、他の要件を満たしていれば、教育訓練給付金を受給することができる。
よって、「他の要件を満たしても教育訓練給付金を受給することができない。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法37条の4第5項
高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日までに、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。
高年齢受給資格者の失業の認定日は、基本手当の受給資格者の場合と異なり、具体的に「〇年〇月〇日」と指定される。これは、基本手当の受給資格者に対して、受給期限内に所定給付日数の範囲内で、原則として4週間に1回ずつ基本手当の支給が行われることとは異なり、高年齢求職者給付金という形態で1回限り支給される方法がとられていることによるものである。
よって、問題文は誤りとなる。

(E)正解
法66条1項
国庫は、原則として、日雇労働求職者給付金以外の求職者給付(高年齢求職者給付金を除く。)についてはその要する費用の4分の1、日雇労働求職者給付金についてはその要する費用の3分の1、雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金及び高年齢再就職給付金を除く。)についてはその要する費用の8分の1、広域延長給付が行われる場合は、広域延長給付を受ける者の係る求職者給付に要する費用の3分の1、就職支援法事業として支給する職業訓練受講給付金に要する費用の2分の1を負担することとしているが、就職促進給付、教育訓練給付、高年齢求職者給付金、高年齢雇用継続給付、雇用保険二事業については、国庫負担は行われない。
よって、問題文は正解となる。

  

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