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■社会保険労務士の勉強メモ(健康保険法) | |||||||||||||
1.名称の如何を問わず、就業規則、労働協約に基き、その支払事由発生後引き続き支給されるものは報酬に該当する。(昭和25年2月22日保文発第376号) 2.労働と対償とが必ずしも時間的に一致する必要はなく、雇用関係があり、被用者が使用者に労務を提供するということを前提として使用者が被用者に支払うものであればよく、休業中においても過去の労働と将来の労働とを含めた労働の対価として一定の給与規定等に基いて支給されるものは報酬の範囲に入るものであって、その支給形態や名称の如何を問わずその実体が経常的実質的収入の意義を有するものであれば報酬に含まれる。(昭和32年2月21日保文発第1515号)
1.家族手当 毎月支給する家族手当金は報酬の範囲に属する。(昭和2年1月31日保文発第7241号) 2.通勤手当 (1)通勤手当は、被保険者の通常の生計費の一部に当てられているのであるから、報酬と解することが妥当である。(昭和27年12月4日保文発第7241号) (2)定期券購入費は報酬中に包含される。(昭和31年10月8日保文発第8022号) (3)定期券を購入して支給することは、被保険者が事業主から受ける利益の一であり、金銭で支払われるもののほか現物で支払われるものも労働の対償となり得る。通勤費も生計費中の重要な支出の一であり、出張旅費の如き実費弁済的ものと異なる。(昭和32年2月21日保文発第1515号) 3.日宿直手当 (1)工場又は事業所における当宿直料は当宿直者が執務時間外工場又は事業場の取締に任ずる為に事業主から受けるものであって、法第3条第5項の「労働の対償」に該当するものと認められる。(大正15年11月26日保発第256号) (2)日直手当、宿直手当は報酬に含まれる。(昭和29年10月8日保文発第11315号) 4.決算手当 決算手当と賞与は名称は異なっても同一性質のものと認められれば報酬に属するものと解する。(昭和23年9月29日保文発第469号) 5.休職手当 傷病による休職期間中に支給する休職手当、退職所定者に対し一定期間支給される待命手当等は報酬である。(昭和25年1月12日保文発第44号) 6.私傷病手当金 (1)労働協約により私傷病手当金を支給することとした場合、この手当金は報酬の範囲に含まれる。(昭和39年12月21日庁保険発第46号) (2)労働協約で労務不能になったとき事業主が報酬と傷病手当金との差額を見舞金として支給する場合、これは名目的に見舞金でもいわゆる「お見舞い」ではなく、事業主と被保険者との雇用関係に基いて事業主が病気中報酬の一部を支給し生活を保障しようとするものであり、報酬の中に含まれる。(昭和32年8月6日保文発第6737号) (3)傷病に関し事業主が恩恵的に支給する見舞金は通常報酬ではない。(昭和18年1月27日保発第303号) 7.解雇予告手当 (1)解雇予告手当又は退職手当は報酬ではない。(昭和24年6月24日保発第1175号) (2)被保険者の受ける贈呈金が、退職金に相当する性質のものは労務の対償として受ける報酬ではない。(昭和26年11月17日保文発第4995号) 8.作業服 無料貸与又は給与される被服であってもいわゆる勤務服である制服又は作業服のようなものは、事業主から受ける労務の対償でないと認めるのが妥当である。(昭和11年6月15日保発第346号) 9.養老保険の保険料 団体養老保険の保険料を事業主が負担している場合、その保険契約によって受ける利益が従業員に及ぶものであっても、当該保険に関する事項について労働協約、給与規則等に一切規定されておらず、事業主が保険契約の当事者となって恩恵的に加入しているような場合には、その事業主が負担する保険料は、報酬には含まれない。(昭和38年2月6日庁保険発第3号) 10.臨時に受けるもの 法第3条第5項の「臨時に受けるもの」とは、被保険者が常態として受ける報酬以外のもので狭義に解する。被保険者の通常の生計に充てられる性質のもの、例えば、分割支給給与、飢餓突破賃金、昇給差額等は「臨時に受けるもの」に該当しない。(昭和23年7月12日保発第1号) 11.賞与の取扱い (1)法第3条第6項の「3月を超える期間ごとに受けるもの」に該当するものは、年間を通じ4回以上支給される報酬以外の報酬とすること。従って名称は異なっても同一性質と認められるものが、年間を通じ4回以上支給される場合は、報酬に該当する。(昭和36年1月26日保発第5号) (2)報酬(年4回以上の賞与)に該当するか否かは、次のいずれかに該当するかどうかで判断する。 1.当該報酬の支給が給与規定、賃金協約等によって客観的に定められていること。 2.当該報酬の支給が1年間以上にわたって行われていること。 (昭和36年1月26日保発第5号) 12.食事 (1)事業に使用される者が労働の対償として事業主から供給を受ける食事は、報酬の範囲に属するものとする。(昭和2年6月30日保理第2700号) (2)現物給与のうち、食事の給与について、その必要経費の一部を本人より徴収しているものについては、地方社会保険事務局長の定める額から本人負担分を控除したものを現物給与額として取扱う。(昭和31年8月2日保文発第6425号) 13.被服 被保険者に無料貸与又は給与される被服等は、それが労働の対償として事業主から受けるものか否かにより決定すべく、その貸与又は支給の方法、条件、種類、程度等から見て労働の対償として受けるものと認められるときは報酬月額に加算する。現物給与の代りに現金による場合も同様である。(昭和10年3月18日保発第181号) 14.前払退職金 被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから、原則として、法第3条第5項又は第6項に規定する報酬又は賞与に該当するものであること。 支給時期が不定期である場合についても賞与として取り扱い、これが年間4回以上支払われているものであれば、報酬として通常の報酬月額に加算して取り扱うこと。 また、退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、従来どおり、法第3条第5項又は第6項に規定される報酬又は賞与には該当しないものと取り扱うこと。(平成15年10月1日保保発第1001002号・庁保険発第1001001号)
被保険者が労働の対償として受けるものであれば、金銭によるものであるか否かを問わず報酬の範囲に含まれる。よって、現物給与がなされる場合は、その現物給与を金銭に換算し、金銭で支給された報酬に加える必要がある。 しかし、現物給与の評価を支払側である事業主に委ねると、同じ物であっても事業主により評価が異なり、また保険者としても公平に評価するため調査の必要性がでてくる。 なので、現物給与については、地方社会保険事務局長が、その地方(都道府県)の実情にあわせて標準価格を告示することになっており、現在のところ食事、住居、被服について告示されている。 なお、現物給与される食事については、原則として、被保険者から負担金を徴収している場合は、告示された標準価格から負担分を差し引いた額を現物給与額として取扱い、また、告示された標準価格の3分の2以上に相当する額の食費を負担分として徴収している場合には、現物給与がないものとして取扱う。
1.報酬の範囲 (1)毎年 7月1日現在における賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもので毎月支給されるもの(以下「通常の報酬」という。)以外のもの(以下「賞与」という。)の支給実態がつぎのいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当すること。 ア.賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定(以下「諸規定」という。)によって年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているとき。 イ.賞与の支給が 7月1日前の1年間を通じ4回以上行われているとき。 したがって、賞与の支給回数が、当該年の7月2日以降新たに年間を通じて4回以上又は4回未満に変更された場合においても、次期 標準報酬月額 の定時決定( 7月、8月又は9月 の随時改定を含む。)による 標準報酬月額 が適用されるまでの間は、報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものであること。 (2)賞与の支給回数の算定は、次により行うこと。 ア.名称は異なっても同一性質を有すると認められるもの毎に判別すること。 イ.例外的に賞与が分割支給された場合は、分割分をまとめて1回として算定すること。 ウ.当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しないこと。 2.賞与に係る報酬額の算定 (1)賞与に係る報酬額は、標準報酬月額の定時決定又は7月、8月若しくは9月の随時改定の際、次により算定すること。 ア.7月1日前の1年間に受けた賞与の額を12で除して得た額。 イ.7月1日以前1年内に諸規定により賞与の支給回数が変更され、新たに当該賞与が報酬に該当したときは、変更後の諸規定による賞与の支給回数等の支給条件であったとすれば同日前1年間に受けたであろう賞与の額を算定し、その額を12で除して得た額。 (2)上記1「報酬の範囲」の(1)に該当する事業所に使用される者の資格取得時における賞与に係る報酬額は、当該事業所において、同様の業務に従事し、同様の賞与を受ける者の賞与に係る報酬の平均額とすること。 (3)賞与に係る報酬の額に変動があっても、当該変動に基づく随時改定は行わないこと。 また、通常の報酬に著しい変動があり、随時改定( 7月、8月又は9月 の随時改定を除く。)を行う場合は、新たに賞与に係る報酬の額を算定することなく、(1)又は(2)に基づき算定した賞与に係る報酬の額を変更後の通常の報酬の額に加算すること。 (昭和53年6月20日保発第47号・庁保発第21号) ※一部改正(平成15年2月2日保発第0225004号・庁保発第2号)
一定額の住宅手当を年3回(7月・11月・3月)に支給した場合は、その支給額の計算の基礎が月に対応するものであれば、単に支払いの便宜上数か月分を一括して支給し、支払回数が年間に4回未満となる場合であっても、法第3条第5項に規定する報酬の範囲に属するものであること。(昭和40年8月4日庁保険発第38号) ※よって交通費として半年定期を年2回に分けて現物給与している場合であっても、1月分の交通費の額を算定して報酬の範囲に含める必要がある。
毎月定期的に支払われる給与の他に、事業主と従業員団体との協定等に基づき従業員が希望したとき、貸付金と称して毎月従業員の営業収益に応じて算出した一定の金額が事業主から支払われ、その貸付金が形式上年2回支払われることになっている賞与の支払時期に精算される形がとられているような場合、当該貸付金は、労働の対価としての実体を備え被保険者の通常の生計にあてられる経常的実質的収入の意義を有することから、報酬に含めるべきものである。 なお、支給時期が不定期である場合についても、これが年間4回以上支払われているものであれば、報酬として平常の報酬月額に加算すべきものである。(平成2年2月13日保険発第7号・庁保険発第2号) |
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