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■社会保険労務士の勉強メモ(健康保険法)




■療養の給付の範囲

1.被保険者(老人保健法の規定による医療を受けることができる者を除く。)の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。(法第63条第1項)

(1)診察
(2)薬剤又は治療材料の支給
(3)処置、手術その他の治療
(4)居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
(5)病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

2.上記(5)の療養と併せて行う食事療養及び選定療養に係る給付は「療養の給付」に含まれない。(法第63条第2項)

■療養の給付の実施機関

療養の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから受けるものとする。(法第63条第3項)

(1)保険医療機関又は保険薬局
(2)特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院若しくは診療所又は薬局であって、当該保険者が指定したもの (事業主医局など)
(3)健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局

■療養の給付の受給

1.保険医療機関等から療養の給付を受けようとする者は、被保険者証(70歳に達する日の属する月の翌月以後の場合は高齢受給者証を添えて)を提出しなければならない。
ただし、やむを得ない理由があるときは、この限りでない。(施行規則第53条)

2.保険薬局等から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。
ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方せん及び被保険者証を(70歳に達する日の属する月の翌月以後の場合は高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。(施行規則第54条)

■療養の給付の費用

1.保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関又は保険薬局に支払うものとし、保険医療機関又は保険薬局が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者が当該保険医療機関又は保険薬局に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。(法第76条第1項)

(参考)
1.保険医療機関等が保険者に請求する費用の請求権の消滅時効は、民法第170条の規定により3年間である。なお起算日は診療月の翌月1日となる。

2.この規定と法第74条第1項(一部負担金)の「当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない」という規定により、一部負担金の徴収責任は医療機関にあることになる。

2.上記1の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。(法第76条第2項)

(参考)
診療報酬の算定は「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」による。

3.保険者は、保険医療機関又は保険薬局との契約により、当該保険医療機関又は保険薬局において行われる療養の給付に関する上記1の療養の給付に要する費用の額につき、上記2により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。
この場合において、保険者が健康保険組合であるときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。(法第76条第3項)

4.保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、審査の上、支払うものとする。(法第76条第4項)

5.保険者は、上記4の規定による審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。(法第76条第5項)

(参考)
健康保険組合は、特定の保険医療機関と合意した場合には、自ら審査及び支払いに関する事務を行えること。また、この場合、健康保険組合は、当該事務を社会保険診療報酬支払基金以外の事業者に委託することも可能である。(平成14年12月25日保険局長通知)

■その他

療養の給付(厚生労働大臣が定める療養に係るものを除く。)は、介護保険法に規定する指定介護療養施設サービスを行う療養病床等に入院している者については行わない。(法第63条第4項)

  

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