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トップページ社会保険労務士の勉強メモ 訪問看護療養費の支給要件
■社会保険労務士の勉強メモ(健康保険法)




■要件

1.被保険者が、厚生労働大臣が指定する者(以下「指定訪問看護事業者」という。)から当該指定に係る訪問看護事業を行う事業所により行われる訪問看護(以下「指定訪問看護」という。)を受けたときは、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。(法第88条第1項)

2.保険医療機関等若しくは特定承認保険医療機関又は介護保険法の規定による介護老人保健施設若しくは介護療養型医療施設による訪問看護は訪問看護療養費の支給対象にならない。(法第88条第1項)

3.訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとする。(法第88条第2項)

(参考)
1.「厚生労働省令で定めるところ」とは?
保険者は、被保険者が疾病又は負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある者で施行規則第67条の基準に適合していると認められる場合に訪問看護療養費を支給する。
ただし、他の訪問看護ステーションから現に指定訪問看護を受けるときは、この限りでない。(施行規則第69条)

※よって、利用者は同時に2箇所以上の訪問看護ステーションから指定訪問看護をうけることはできない。

■訪問看護とは?

疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助。(法第88条第1項)

(参考)
1.厚生労働省令で定める基準とは?
病状が安定し、又はこれに準ずる状態にあり、かつ、居宅において看護師等が行う療養上の世話及び必要な診療の補助を要する状態。(施行規則第67条)

2.看護師その他厚生労働省令で定める者とは?
保健師、助産師、准看護師、理学療法士及び作業療法士。(施行規則第68条)

■指定訪問看護事業者の指定

1.指定訪問看護事業者の指定は、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所(以下「訪問看護事業所」という。)ごとに行う。(法第89条第1項)

2.指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法の規定による指定居宅サービス事業者の指定があったときは、その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、指定訪問看護事業者の指定があったものとみなす。ただし、当該訪問看護事業を行う者が、厚生労働省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。(法第89条第2項)

3.介護保険法の規定による指定居宅サービス事業者の指定の取消しは、上記2規定により受けたものとみなされた指定訪問看護事業者の指定の効力に影響を及ぼさないものとする。(法第89条第3項)

■指定訪問看護事業者の責務

1.指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従い、訪問看護を受ける者の心身の状況等に応じて自ら適切な指定訪問看護を提供するものとする。(法第90条第1項)

2.指定訪問看護事業者は、上記1の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法による被保険者及び被扶養者の指定訪問看護並びに老人保健法 による医療を受けることができる者の指定老人訪問看護を提供するものとする。(法第90条第2項)

3.指定訪問看護事業者は、当該指定に係る訪問看護事業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定訪問看護の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、10日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。(法第93条)

■訪問看護療養費の支給額

1.訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき指定訪問看護に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から、その額に第74条第1項各号(一部負担金の規定)に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額を控除した額とする。(法第88条第4項)

※訪問看護療養費の支給額は算定額から一部負担金相当額を控除した額になる。

2.厚生労働大臣は、上記1の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。(法第88条第5項)

指定訪問看護のしくみ
指定訪問看護のしくみ

■訪問看護の利用について

1.指定訪問看護を受けようとする者は、被保険者証(高齢受給者証)を提出して、自己の選定する指定訪問看護事業者から受けるものとする。(法第88条第3項)

2.指定訪問看護事業者は、基本利用料として、健康保険法第88条第4項(この規定を準用し、又は例による場合を含む。)に規定する厚生労働大臣の定めるところにより算定した費用の額より訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額又は老人保健法第46条の5の2第4項に規定する厚生労働大臣が定める算定方法により算定した額より老人訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払を利用者から受けるものとする。(指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第13条第1項)

3.指定訪問看護事業者は、基本利用料のほか、その他の利用料として、交通費・おむつ代などの実費、営業日・営業時間外の訪問看護、又は2時間を超える長時間の訪問看護を希望した場合は、その分の特別料金の支払を利用者から受けることができる。(指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第13条第2項)

4.指定訪問看護事業者は、指定訪問看護等の提供に当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族等に対し、基本利用料並びにその他の利用料の内容及び額に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならない。(指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第13条第3項)

5.指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、基本利用料及びその他の利用料について、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を交付しなければならない。(法第88条第9項・施行規則第72条)

(参考)
被保険者が負担する「基本利用料」については、高額療養費の対象になる。「その他の利用料」は対象にならない。

 

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