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■社会保険労務士の勉強メモ(健康保険法) | ||||||||||||||||
1.被保険者が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金として、1日につき、標準報酬日額(標準報酬月額の30分の1に相当する額(その額に、5円未満の端数があるときはこれを切り捨てるものとし、5円以上10円未満の端数があるときはこれを10円に切り上げるものとする。)をいう。第102条において同じ。)の100分の60に相当する金額を支給する。(法第99条第1項) 2.傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して1年6月を超えないものとする。(法第99条第2項)
1.保険給付として受ける療養のためにのみ限らず、然らざる療養のためをも含む。(昭和2年2月26日保発第345号) 2.自費で傷病の療養をなした場合でも、その傷病の療養のため労務に服することができないことについて相当の証明があるときは支給する。(昭和3年9月11日事発第1811号) 3.医師又は歯科医師について療養を受けない場合でも支給される場合がある。これには、病後静養した期間、疾病にかかり医師について診察を受くべく中途に費した期間等を含むが、この期間については、医師の意見書、事業主の証明書等を資料として正否を判定する。(昭和2年4月27日保発第345号) 4.療養は必ずしも保険医について診療を受けた場合にかぎらず、また、資格喪失後労務に服することができぬ期間についても支給し得る。(昭和4年2月20日保理第489号) 5.病原体保有者に対する法第1条の適用に関しては、原則として病原体の撲滅に関し特に療養の必要があると認められる場合は、自覚症状の有無にかかわらず伝染病の病原体を保有することをもって保険事故たる疾病と解するものであり、従って病原体保有者が隔離収容等のため労務に服することができないときは、傷病手当金の支給対象になる。(昭和29年10月25日保険発第261号) 6.病気静養のために労務不能と認められる期間は支給する。(昭和32年8月13日保文発第6905号) 7.被保険者資格取得前にかかった疾病または負傷の資格取得後の療養についても、傷病手当金、療養の給付は支給される。(昭和26年5月1日保文発第1346号) 8.負傷のため廃疾となり、その負傷につき療養の必要がなくなったときには、労務不能であっても療養のための労務不能ではないので支給しない。(昭和3年10月11日保理第3480号) 9.療養の給付をなさないこととした疾病等(たとえば美容整形手術)について被保険者が自費で手術を施し、そのため労務不能となった場合には、これに対し傷病手当金は支給すべきでない。(昭和4年6月29日保理第1704号)
1.待期は、労務不能状態が3日間連続することが必要であり、かつ、これをもって足り「休休休休」の場合は待期完成であるが、「休出休休」は待期は完成していない。(昭和3年1月31日保発第2号の2) 2.労務に服することができない期間は、労務に服することができない状態になった日から起算する。ただしその状態になった時が業務終了後である場合は翌日とする。(昭和5年10月13日保発第52号) 3.工場又は事業場で昼夜交代して作業を続行するため夜勤のものが午後6時から翌日午前6時まで勤務し1日の作業であるが、2日にまたがるような場合には暦日による。(昭和4年12月7日保規第488号) 4.疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し(医師の指示の有無を問わない)その疾病又は負傷につきさらに労務不能になった場合は待期の適用がない。(昭和2年3月11日保理第1085号) 5.療養のため欠勤したが、この欠勤開始の日から3日間を年次有給休暇として処理された場合にも、待期は完成し傷病手当金は給与計算上の欠勤開始日から支給される。(昭和26年2月20日保文発第419号)
1.必ずしも医学的基準によらず、その被保険者の従事する業務の種別を考え、その本来の業務に堪えうるか否かを標準として社会通念に基づき認定する。(昭和31年1月19日保文発第340号) 2.休業中に家業の副業に従事しても、当該疾病の状態が工場における労務不能の程度のものであれば支給する。(昭和3年12月27日保理第3176号) 3.被保険者が療養の給付を受ける場合、保険医はその傷病は休業を要する程度のものでないと認定したが、被保険者の住所が診療所より遠く通院のために事実上労務の廃止を必要とする場合、この休業は広義に解し療養のため労務不能と解し、支給してよい。(昭和2年5月10日保理第2211号) 4.工場医が将来の悪化をおそれて現在労務に差し支えない者を休業せしめたとき、療養上その症状が休業を要する場合には労務不能とみなして支給してよい。 また、保険医甲は就労して差し支えないとし、乙保険医は休業せしむべしとしたとき、保険者が労務不能と認めるのでなければ支給すべきものではない。(昭和8年2月18日保規第35号) 5.被保険者が齲歯の治療を受けようとするとき、四、五里先に行かなければ治療を受けられぬときには、その症状が欠勤しても診療を受けることを必要とする場合には、療養のための労務不能とみなし傷病手当金を支給する。(昭和6年3月11日保規第31号) 6.被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。 したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。(平成15年2月25日保保発第0225007号・庁保険発第4号) 7.医師の指示又は許可のもとに半日出勤し、従前の業務に服する場合は支給されない。また、就業時間を短縮せず、配置転換により同一事業所内で従前に比しやや軽い労働に服する場合は支給されない。(昭和29年12月9日保文発第14236号) 8.午前中のみ出勤し従前の業務に服する場合は通常支給されない。(昭和32年1月19日保文発第340号) 9.資格喪失後傷病手当金を受ける場合、または任意継続被保険者で失業している者が傷病手手金を受ける場合の労務不能の程度 工場又は事業場に於て従事したりし当時の労務に服すること能はさると同程度のものを謂ふものとす(昭和2年4月27日保理発第1857号) 10.労働安全衛生法第68条により伝染の恐れある保菌者に対し事業主が休業を命じたがその者の症状からして労務不能と認められぬ場合の傷病手当金の請求は、法上労務不能と認められぬので支給しない。(昭和25年2月15日保文発第320号) 11.失業保険金を離職後5ヵ月間受給したことは労働の意思及び能力があったという認定が職安でなされたのであって、労務不能を支給要件とする手当金の支給は受けられぬ。 また、失業保険では、疾病又は負傷のための労務不能は、その期間が15日未満のときは一時的な労働力の喪失としてこれを例外として取り扱っている(雇用保険法第15条第4項第1号)ので、一時的労務不能と職安が認定して失業保険を支給してのであれば、離職前から現在まで療養のため労務不能でかつ療養の給付をひきつづき受けている旨証明して、失業保険を返納し、改めて傷病手当金の支給を申請しなければならない。(昭和29年3月4日保文発第2864号) 12.労働者災害補償保険法による休業補償費を受給している健康保険の被保険者が業務外の事由による傷病によって労務不能となった場合には、休業補償費の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかるものを除き傷病手当金は支給しない。(昭和33年7月8日保険発第95号) 13.労務不能期間中に公休日がある場合 工場の公休日であっても療養のため労務に服することができない状態にあれば支給する。(昭和2年2月5日保理第659号)
傷病手当金は、原則として労務不能のために受給する直前の標準報酬日額を基礎として算定することとなっているので、病欠中報酬の減額により手当金額を変更することは適当でない。(昭和26年6月4日保文発第1821号)
1.死亡当日の取扱い 死亡当日はなお被保険者の資格があるのでその日の傷病手当金は支給すべきものである。(昭和32年3月4日) 2.死亡した場合の傷病手当金の支給申請 民法の規定による相続人が当然請求権を有する。(昭和2年2月18日保理第719号) 3.事業主が保険料を滞納している場合 事業主の保険料未納を理由としては、被保険者が傷病手当金を受けられないことはない。(昭和25年3月9日保文発第535号)
1.同一の疾病又は負傷とは? 一回の疾病又は負傷で治癒するまでをいうが、治癒の認定は必ずしも医学的判断のみによらず、社会通念上治癒したものと認められ、症状をも認めずして相当期間就業後同一病名再発のときは、別個の疾病とみなす。 通常再発の際、前症の受給中止時の所見、その後の症状経過、就業状況等調査の上認定す。(昭和29年3月保文発第3027号)(昭和30年2月24日保文発第1731号) ※同一の疾病又は負傷には再発にかかるものは含まない。(昭和2年6月疑義事項解釈) 2.結核性疾患について 結核性疾患については、症状が固定し、自覚的および他覚的にも病変や異常を認めず、医療を行なう必要がなくなった程度、すなわち、社会通念上、治癒したものと認めることができる状態にある場合を「治癒」として認定している。 したがって、その後通常の勤務に服したにもかかわらず、一定期間経過後再び結核性疾患が発生したときは「再発」として取り扱って差し支えない。(昭和29年6月26日保文発第7334号) 3.保険給付を終了したとみなす場合 被保険者が目疾の自覚症状があり、保険医の診療を求めたところ診療の結果白内障と診断されたが未だ成熟していないので治療を施すべき時期に至らないと申し渡され、何等の治療も受けず、その後1、2年して甚だしく視力障害を来したので改めて診察をうけようとしたような場合には、保険給付は一旦終了したものとみなし後の給付については別に期間計算をする。(昭和6年12月26日保規第32号) 4.医師の附した病名が異なる場合 医師の附した病名が異なる場合でも疾病そのものが同一なることが明らかなときは同一の疾病に該当する。(昭和4年8月30日保規第45号) 5.略治のまま勤務に服したとき 略治のまま勤務に服したときは、その後定期的に健康診断を受けその結果治癒と判断されて相当期間労務に服しその期間中の健康状態が良好であったことが認められれば、一旦治癒し再発と認められる。(昭和28年4月9日保文発第2013号) 6.再発とは? 被保険者が医師の診断により全治と認定されて療養を中止し、自覚的にも他覚的にも症状がなく勤務に服した後の健康状態も良好であったことが確認される場合は再発とみなす。(昭和26年12月21日保文発第5698号) 7.「てんかん」について 最後の発作後相当期間経過し、症状もなく、治療の要もなく、かつまた、労務に服することを得る状態にあったとき、その後の発作は再発として取り扱う。(昭和11年5月30日保規第124号) 8.これにより発した疾病とは? 同一系統のものであるか否かを問わずある傷病を原因として発した疾病をいうが、前傷病が一旦治癒した後これを原因として発した疾病を含まない。(昭和5年7月17日保規第351号) ※直接的、医学的因果関係があることが必要になる。よって第一疾病がなければ第二の疾病はおこり得なかったであろうという密接な因果関係が、その間に認められなければならない。例えば、胃酸過多症に起因する胃潰瘍等がある。
1.報酬を全額受けている者の支給開始日 報酬の支給が停止された日から、または、減額支給されることになりその支給額が傷病手当金の額より少なくなった日から起算される。(昭和25年3月14日保文発第571号)(昭和26年1月24日保文発第162号) 2.継続して報酬の一部を受ける場合の支給開始日 その差額の傷病手当金の支給を受ける場合において、その支給を受け始めた日をいう。(昭和21年6月20日保発第729号)(昭和26年1月24日保文発第162号) 3.資格喪失した者が、被保険者期間中報酬を受けていたために、法第108条により傷病手当金を受けていなかった場合 法104条の保険給付を受ける者とは、療養の給付を受給中のように現に給付を受けているか、又は労務不能期間中であっても報酬の全部が支給されているため法第108条の規定によって傷病手当金の支給を一時停止されている者のように、現に給付を受けていないが給付を受けうる状態にあるものをいう。(昭和5年4月24日保規第270号)(昭和32年1月31日保発第2号) ※資格喪失日前に「療養のため労務不能」状態が連続して4日間以上ある場合には、資格喪失後に継続して傷病手当金の受給が可能で、その支給期間の開始日は、現実に支給された日(この場合は資格喪失の日)からになる。 4.資格喪失後の傷病手当金の起算日 (1)資格喪失の日前療養のため労務不能の状態が3日間連続しているのみでは、いまだ現に傷病手当金の支給を受けているわけではなく、また、支給をうけ得る状態にもないので継続給付としての傷病手当金の支給はうけられない。(昭和2年9月9日保理第3289号)(昭和32年1月31日保発第2号) (2)資格喪失後継続して傷病手当金を受給している場合に、保険診療を受けていても一旦稼動して傷病手当金が不支給となった場合には、完全治癒であると否とを問わず、その後更に労務不能となっても傷病手当金の支給は復活されない。(昭和26年5月1日保文発第1346号)
1.1年6月の意味 1年6月分の傷病手当金が支給されるという意味ではなく、支給開始日から1年6ヵ月間という期間を意味する。よってその間に労務可能となった期間も含まれる。 2.給付制限に該当した場合 傷病手当金の支給を受けている被保険者が、法施行区域外に赴き法第118条第1項第2号に該当するに至ったとき、すなわち監獄、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたときも、その期間は1年6ヵ月の期間内に包合する。(昭和4年7月10日事発第1175号)(昭和5年8月26日保規第451号) 3.傷病手当金の支給中に出産手当金を受けた場合 傷病手当金の支給を受ける中途において出産手当金の支給を受けたため、傷病手当金の支給を受けることができなかった場合でも、傷病手当金の支給は、その支給開始の日から1年6月で打ち切られる。(昭和4年6月21日保理第1818号) 4.傷病手当金受給中に別疾病により労務不能になった場合 一つの疾病について療養のため労務不能期間中に、他の疾病が発生したときの傷病手当金の支給については、前に発生した疾病について傷病手当金支給期間が満了し、その後もなお、疾病の療養のため労務不能である者について、他の疾病が発生し、この後に発生した疾病についてみても労務不能と考えられる場合には、前の疾病についての療養継続中であっても、また、前後の疾病の程度が同程度であっても、後の疾病について支給されるべきである。(昭和26年6月9日保文発第1900号)(昭和26年7月13日保文発第2349号)
1.支給申請書の記載事項の訂正について 該書類の記載事項中軽微な誤謬で直ちに訂正できるものに限り、保険者において、便宜訂正することができる。(昭和2年2月26日保理第814号) 2.「被保険者の業務の種別」の記載について 発病又は負傷の原因が業務上の理由によるものであるか否か、又は労務不能期間中に報酬の全部又は一部の支給をうけられるものであるか否かの判定の参考にするためのものである。(昭和25年12月27日保険発第78号の2) 3.申請について 被保険者につき代理人を認めた規定がないので請求は本人がなすべきも現金の受領は代理人でよい。(昭和3年3月20日保理第572号) 4.添付書類(医師の意見書等)の記載事項訂正について 該書類の記載事項を保険者において、妄に訂正してはならない。(昭和2年2月26日保理第814号) 5.柔道整復師の施術を受けた場合の意見書 柔道整復師の意見書を添付すればよい。(昭和2年3月26日保理第118号)(昭和25年1月17日保文発第72号) 6.意見書の署名 添付書類は、医師又は歯科医師の意見書であるから、病院又は医院の名で出された意見書ではいけない。(昭和3年12月27日保理第3163号) 7.医師が実際に診療していない期間の意見について 傷病手当金支給請求書には、労務不能期間に関する医師の証明書を添付すべきものではなくて、意見書を添付すべきものであり、従って、医師が被保険者の既往の状態を推測して表示した意見書は差し支えない。ただし、保険者が、被保険者が労務不能の状態にあったことを認めなければ傷病手当金を支給する必要はない。(昭和4年2月21日保理第388号) 8.診療を受けた医師が死亡した後の意見書 請求書にその事由を記載さいた書面を添付させ、医師、事業主その他関係者について調査した結果、ある期間労務不能の事実を確証し得たものに対しては支給して差し支えない。(昭和6年7月25日保規第158号) 9.医師意見書中の「傷病の主症状及び経過の概要」の記載について その適正かつ詳細な記載を求めて、労務不能期間の適正な認定を図るためのものである。(昭和25年12月27日保険発第78号の2) ※傷病手当金支給申請書に添付するための医師または歯科医師の意見書の交付料金は、療養の給付として給付される。 10.事業主の証明について 事業主所在不明となり又は労働争議により罷業継続中事業主において被保険者の動静を知悉することができない理由で証明を拒み証明書添付不能の場合には、事業主所在不明のときは、請求書にその事由を記載した書面を添付させ、調査の結果、労務不能の事実を確認し得たものに対しては支給して差し支えないが、労働争議により被保険者の動静を知悉できない場合であっても、事業主は、労務不能の証明を拒むことはできない。(昭和6年7月25日保規第158号) 11.事業主の「労務に服することができない期間」の証明 労務に服することができなかった期間の意味ではなく、労務に服さなかった期間(休業期間)の意味である。(昭和9年10月4日保険発第498号) |
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