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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 令和1年雇用-第8問(労働保険料の督促等)
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■令和1年雇用-第8問(労働保険料の督促等)

労働保険料の督促等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)労働保険徴収法第27条第1項は、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。」と定めているが、この納付しない場合の具体的な例には、保険年度の6月1日を起算日として40日以内又は保険関係成立の日の翌日を起算日として50日以内に(延納する場合には各々定められた納期限までに)納付すべき概算保険料の完納がない場合がある。

(B)労働保険徴収法第27条第3項に定める「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」には、法定納期限までに納付すべき概算保険料、法定納期限までに納付すべき確定保険料及びその確定不足額等のほか、追徴金や認定決定に係る確定保険料及び確定不足額も含まれる。

(C)労働保険徴収法第27条第2項により政府が発する督促状で指定すべき期限は、「督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。」とされているが、督促状に記載した指定期限経過後に督促状が交付され、又は公示送達されたとしても、その督促は無効であり、これに基づいて行った滞納処分は違法となる。

(D)延滞金は、労働保険料の額が1,000円未満であるとき又は延滞金の額が100円未満であるときは、徴収されない。

(E)政府は、労働保険料の督促をしたときは、労働保険料の額につき年14.6%の割合で、督促状で指定した期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数により計算した延滞金を徴収する。



■解説

(A)正解
法27条1項、昭和55年6月5日発労徴40号
「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない場合」とは、具体的には、(1)保険年度の6月1日を起算日として40日以内又は保険関係成立の日の翌日を起算日として50日以内に(延納する場合には各々定められた納期限までに)納付すべき概算保険料、(2)認定決定に係る概算保険料、(3)増加概算保険料、(4)保険料率の引上げに伴う概算保険料の追加納付額、(5)確定保険料及びその不足額、(6)認定決定に係る確定保険料及びその不足額、(7)有期事業についてのメリット制の適用に伴う確定保険料の差額、(8)追徴金、(9)認定決定に係る印紙保険料、(10)印紙保険料に係る追徴金について、法定の納期限又は歳入徴収官が発行した納入告知書による指定期限までにその完納がない場合をいう。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法27条3項、昭和55年6月5日発労徴40号
労働保険料その他この法律の規定による徴収金とは次にあげるものとされている。
1.法定期限までに納付すべき概算保険料
2.認定決定に係る概算保険料
3.増加概算保険料
4.保険料率の引上げに伴う概算保険料の追加納付額
5.法定納期限までに納付すべき確定保険料及び確定不足額
6.認定決定に係る確定保険料及び確定不足額
7.有期事業についてのメリット制の適用に伴う確定保険料の差額
8.追徴金
9.印紙保険料
10.認定決定に係る印紙保険料
11.印紙保険料に係る追徴金
12.延滞金
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法27条2項
督促は、納付義務者に自発的に納付させるための催告であるから、納付義務者が督促状を受領した後、督促に係る労働保険料等を納付するのに必要な時間的余裕がなければならない。したがって、督促状に記載した指定期限経過後に督促状が交付され、若しくは公示送達されたとしても、その督促は無効であり、これに基づいてなした滞納処分は違法となる。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法28条1項・5項
労働保険料の額が1,000円未満であるときは、延滞金は徴収されない。また、事務の簡素化を図るため、延滞金の額に100円未満の端数が生じたときに、この端数を切り捨てることとしていることから、延滞金の額が100円未満であるときは徴収されないこととされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法28条1項、平成12年3月31日発労徴33号
政府が、労働保険料の督促をしたときは、労働保険料の額につき年14.6%(当該納期限の翌日から2か月を経過する日までの期間については、年7.3%)の割合で、納期限(督促状に指定する期限でなく、労働保険料の態様に応じてそれぞれ法定されている納期限)の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数により計算した延滞金が徴収される。
よって、「督促状で指定した期限の翌日から」とした問題文は誤りとなる。

  

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