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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成19年雇用-第9問(労働保険の適用等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成19年雇用-第9問(労働保険の適用等)

労働保険の適用等に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問において「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のことであり、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことであり、「労働保険徴収法施行規則」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」のことである。


(A)労災保険の適用事業又は雇用保険の適用事業に該当する事業については、当該事業に係る事業主が、労働保険徴収法の規定に基づき、労災保険又は雇用保険に係る労働保険の保険関係の成立を政府に届け出ることにより、労災保険又は雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立する。

(B)労働保険徴収法及び労働保険徴収法施行規則には、労災保険に係る労働保険の保険関係及び雇用保険に係る労働保険の保険関係ごとに別個の事業とみなして労働保険徴収法を適用する事業(いわゆる二元適用事業)として、都道府県及び市町村の行う事業、農林水産の事業及び厚生労働大臣が事業主の申請に基づき認可した事業が規定されている。

(C)労働者が1人でも雇用される事業については、原則としてすべて雇用保険の適用事業となるが、常時5人未満の労働者を雇用する事業( 法人である事業主の事業を除く。)については、当分の間、業種を問わず、雇用保険の任意適用事業とすることとされている。

(D)労働保険徴収法における「賃金」は、通貨で支払われるもののみに限られず、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも含むものとされている。

(E)労働保険徴収法には、労働保険の事業に要する費用にあてるため政府が徴収する保険料(労働保険料)の種類として、一般保険料、特別加入保険料、船員特別保険料、印紙保険料及び特例納付保険料が規定されている。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法3条、法4条
労働保険の保険関係はその事業が開始された日に成立することとされている。(要件に該当したときに法律上当然に保険関係が成立する)
よって、保険関係の成立の届出は政府が保険関係の成立を確認するために義務づけているものであり、「保険関係の成立を政府に届け出ることにより、労災保険又は雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立する」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法39条、則66条
労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして労働保険徴収法を適用する事業(二元適用事業)は次のとおりとされている。
(1)都道府県及び市町村の行う事業
(2)都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業
(3)港湾運送法に規定する港湾運送の行為を行う事業
(4)農林水産の事業
(5)建設の事業
よって、「農林水産の事業及び厚生労働大臣が事業主の申請に基づき認可した事業」は二元適用事業に該当せず、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
雇用保険法5条1項、雇用保険法附則2条、雇用保険令附則2条
労働者が雇用される事業が雇用保険の適用事業とされており、労働者を1人でも雇用すれば適用事業となる。
しかしながら、常時5人未満の労働者を雇用する農林水産業の事業は暫定的に任意適用事業とされている。
よって、「業種を問わず」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法2条2項・3項、則3条
賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、通貨以外のもので支払われる賃金の評価額は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長が定めるものとされている。

(E)誤り
法10条
政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収することとされているが、その種類は次のとおりである。
(1)一般保険料
(2)第一種特別加入保険料
(3)第二種特別加入保険料
(4)第三種特別加入保険料
(5)印紙保険料
(6)特例納付保険料
よって、「船員特別保険料」は労働保険の種類として規定されておらず、問題文は誤りとなる。

  

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