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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成19年雇用-第10問(保険料、追徴金、延滞金等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成19年雇用-第10問(保険料、追徴金、延滞金等)

保険料、追徴金、延滞金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)政府は、事業主が所定の期限までに確定保険料申告書を提出しないとき又は所定の期限までに提出した確定保険料申告書の記載に誤りがあると認めるときは、確定保険料の額を決定できるが、所定の期限までに提出した概算保険料申告書の記載に誤りがあると認めるときは、事業主に対して、期限を指定して、概算保険料の修正申告を求めなければならない。

(B)所定の期限までに確定保険料申告書を提出しなかった事業主が、政府が決定した労働保険料の額の通知を受けたときは、当該事業主は、 その納付すべき保険料額又は不足額(その額に1000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の25を乗じて得た額の追徴金を加えて納付しなければならない。

(C)事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠った場合において、追徴金の額を算定するに当たっては、政府によって決定された印紙保険料の額(その額に100円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の25を乗ずることとされている。

(D)政府は、未納の労働保険料について、納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該労働保険料の納付を督促した場合において、当該事業主がその指定期限までに未納の労働保険料を納付しないときは、国税滞納処分の例によって、処分することができるとされており、その権限は各都道府県税事務所に委任されている。

(E)政府は、労働保険料を納付しない者にその納付を督促したときは、所定の要件に該当する場合を除き、労働保険料の額(その額に1000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)につき年14.6%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3%)の割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金(その額に100円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)を徴収する。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法15条3項
事業主が所定の期限までに提出した概算保険料申告書の記載に誤りがあると認めるときも政府が労働保険料の額を決定し、事業主に通知することとされている。(認定決定)
よって、「事業主に対して、期限を指定して、概算保険料の修正申告を求めなければならない」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
労働保険料の認定決定は次の場合に行われる。
1.事業主が所定の期限までに概算保険料申告書、確定保険料申告書を提出しない場合
2.事業主が所定の期限までに提出した概算保険料申告書、確定保険料申告書の記載に誤りがあると認められる場合
3.事業主が印紙保険料の納付を怠ったと認められる場合

(B)誤り
法21条
事業主が所定の期限までに確定保険料申告書を提出しない場合、又は所定の期限までに提出した確定保険料申告書の記載に誤りがある場合に確定保険料額の認定決定が行われたときは、天災その他やむを得ない理由による場合を除き追徴金が徴収されることになっているが、その追徴金の額は、認定決定により納付すべき額(1,000円未満の端数は切り捨て)に100分の10を乗じて得た額とされている。
よって、「100分の25を乗じて得た額」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法25条2項
事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠った場合に印紙保険料について認定決定が行われたときは、追徴金が徴収されることになっているが、その追徴金の額は、認定決定により納付すべき額(1,000円未満の端数は切り捨て)に100分の25を乗じて得た額とされている。
よって、「政府によって決定された印紙保険料の額(その額に100円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)」とした問題文は謝りとなる。

(D)誤り
法26条
労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を納付しない者に対し、政府が期限を指定して督促した場合に、その者が督促状の指定期限までに労働保険料等を納付しないときは、政府は国税滞納処分の例によって処分することができるが、この政府の権限は各都道府県税事務所に委任されていない。
よって、「その権限は各都道府県税事務所に委任されている。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法27条、法28条
労働保険料を納付しない者に対し、政府が労働保険の督促を行ったにもかかわらず、その者が督促状の指定期限までに当該未納の労働保険料を納付しない場合は、所定の要件に該当するときを除き、政府は延滞金を徴収することができるが、その延滞金の額は、労働保険料の額(1,000円未満の端数は切り捨て)につき年14.6%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3%)の割合で納期限(督促状に指定した期限でなく、本来の納期限)の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した額(100円未満の端数は切り捨て)とされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、督促された労働保険料額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる労働保険料の額は、その納付のあった労働保険料の額を控除した額とされている。

(参考)
延滞金が徴収されない場合
(1)督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき
(2)納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によって督促したとき
(3)延滞金の額が100円未満であるとき
(4)労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき(その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る)
(5)労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき

  

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