社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成29年雇用-第9問(労働保険料の滞納)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成29年雇用-第9問(労働保険料の滞納)

労働保険料の滞納に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)事業主が労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を法定納期限までに納付せず督促状が発せられた場合でも、当該事業主が督促状に指定された期限までに当該徴収金を完納したときは、延滞金は徴収されない。

(B)労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされているが、徴収金について差押えをしている場合は、国税の交付要求があったとしても、当該差押えに係る徴収金に優先して国税に配当しなくてもよい。

(C)認定決定された確定保険料に対しては追徴金が徴収されるが、滞納した場合には、この追徴金を含めた額に対して延滞金が徴収される。

(D)労働保険料の納付義務者の住所及び居所が不明な場合は、公示送達(都道府県労働局の掲示場に掲示すること。)の方法により、督促を行うことになるが、公示送達の場合は、掲示を始めた日から起算して7日を経過した日、すなわち掲示日を含めて8日目にその送達の効力が生じるところ、その末日が休日に該当したときは延期される。

(E)労働保険料を納付しない者に対して、平成29年中に、所轄都道府県労働局歳入徴収官が督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日までの期間の日数に応じ、年14.6%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3%)を乗じて計算した延滞金が徴収される。



■解説

(A)正解
法28条5項
延滞金は、督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したときは、徴収されないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(参考)
延滞金が徴収されない場合

1.督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき
2.納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によって督促したとき
3.延滞金の額が百円未満であるとき
4.労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき(その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る)
5.労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき

(B)誤り
法29条、昭和56年9月25日労徴発68号
労働保険料等の先取特権の順位は、「国税及び地方税に次ぐ」ものとされているから、反面当該先取特権の順位は、常に国税及び地方税の先取特権の順位に劣後することとなる。
国税及び地方税にこのような優先権が認められているのは、国税及び地方税が国又は地方公共団体の財政収入の中枢たる地位を占め、その活動の基礎をなすところから徴収を確保しなければならないという公益性に基づくものであり、労働保険徴収法上の徴収金は常に国税、地方税に劣後することとなる。したがって、徴収金につき差押えをしている場合に国税、地方税の交付要求があったときは、差押えに係る徴収金に優先して配当しなければならいとされている。
よって、「優先して国税に配当しなくてもよい。」とした問題文は誤りとなる。
なお、納付義務者が任意に国税に先んじて徴収金を納付してきた場合にまで、その効力は及ばないものとされている。

(C)誤り
法21条、法28条1項
事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知することになっているが、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、その決定された印紙保険料額(1,000円未満の端数は切り捨て)の100分の25に相当する額の追徴金を徴収することになっているが、納付すべき額を不当に納付しない場合に課される懲罰的金銭である追徴金(労働保険料とは異なる)については、延滞金は徴収されないことになっている。
よって、「追徴金を含めた額に対して延滞金が徴収される。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法28条、国税通則法14条、昭和62年3月26日労徴発19号
公示送達とは、次の掲げる場合において通常の方法で送達することが不可能又はこれに近い状態にあり、かつ、送達を行わなければならない場合に補助的な送達として通常の送達に代えて公告し、一定期間の経過とともに送達があったものとみなしている方法である。
この場合は、掲示を始めた日から起算して7日を経過した日、すなわち掲示を始めた日を含めて8日目にその送達の効力が生じる。その末日が休日に該当しても延期されない。
(1)送達を受けるべき者の住所及び居所が明らかでない場合
(2)外国においてすべき送達において困難な事情があると認められる場合
よって、「その末日が休日に該当したときは延期される。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法28条、法附則12条、平成28年12月12日財務省告示362号
労働保険料を納付しない者に対し、政府が労働保険の督促を行ったにもかかわらず、その者が督促状の指定期限までに当該未納の労働保険料を納付しない場合は、所定の要件に該当するときを除き、政府は延滞金を徴収することができるが、その延滞金の額は、労働保険料の額(1,000円未満の端数は切り捨て)につき年14.6%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3%)の割合で納期限(督促状に指定した期限でなく、本来の納期限)の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した額(100円未満の端数は切り捨て)とされている。
なお、延滞金の「年14.6%」及び「年7.3%」の割合は、当分の間、各年の特例基準割合が年7.3%に満たない場合には、その年中においては、「年14.6%」は「特例基準割合+7.3%」、「年7.3%」は「特例基準割合+1%(年7.3%を超える場合には年7.3%)」の割合とされているため、平成29年の延滞金の割合は、年9.0%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年2.7%)となっている。
よって、「財産差押えの日まで」、延滞金の割合を「年14.6%」及び「年7.3%」とした点から、問題文は誤りの肢となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(労働保険徴収法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved