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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成30年雇用-第10問(労働保険料に係る報奨金)
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■平成30年雇用-第10問(労働保険料に係る報奨金)

労働保険料に係る報奨金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働保険事務組合が、政府から、労働保険料に係る報奨金の交付を受けるには、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金を含み延滞金を除く。)について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないことがその要件とされている。

(B)労働保険事務組合は、その納付すべき労働保険料を完納していた場合に限り、政府から、労働保険料に係る報奨金の交付を受けることができる。

(C)労働保険料に係る報奨金の交付要件である労働保険事務組合が委託を受けて労働保険料を納付する事業主とは、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主のことをいうが、この「常時15人」か否かの判断は、事業主単位ではなく、事業単位(一括された事業については、一括後の事業単位)で行う。

(D)労働保険料に係る報奨金の交付を受けようとする労働保険事務組合は、労働保険事務組合報奨金交付申請書を、所轄公共職業安定所長に提出しなければならない。

(E)労働保険料に係る報奨金の額は、現在、労働保険事務組合ごとに、2千万円以下の額とされている。



■解説

(A)誤り
報奨金政令1条1項
労働保険事務組合が事業主の委託を受けてする労働保険料の納付状況が次のいずれにも該当するときは、当該労働保険事務組合に対して労働保険料に係る報奨金が交付される。
(1)7月10日において、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)であって、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、その確定保険料の額(労働保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の合計額の100分の95以上の額が納付されていること
(2)前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないこと。
(3)偽りその他不正の行為により、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)の徴収を免れ、又はその還付を受けたことがないこと。
よって、「前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金を含み延滞金を除く。)」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
報奨金政令1条1項
労働保険事務組合が事業主の委託を受けてする労働保険料の納付状況が次のいずれにも該当するときは、当該労働保険事務組合に対して労働保険料に係る報奨金が交付される。
(1)7月10日において、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)であって、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、その確定保険料の額(労働保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の合計額の100分の95以上の額が納付されていること。
(2)前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないこと。
(3)偽りその他不正の行為により、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)の徴収を免れ、又はその還付を受けたことがないこと。
よって、「労働保険料を完納していた場合に限り」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
報奨金政令1条1項、昭和52年7月28日労徴発45号(労働保険事務組合報奨金交付要領)
労働保険事務組合が事業主の委託を受けてする労働保険料の納付状況が次のいずれにも該当するときは、当該労働保険事務組合に対して労働保険料に係る報奨金が交付される。
(1)7月10日において、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)であって、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、その確定保険料の額(労働保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の合計額の100分の95以上の額が納付されていること。なお、常時15人か否かの判断は事業主単位ではなく、事業単位(一括された事業が一括後の事業単位)で行うこととされている。
(2)前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないこと。
(3)偽りその他不正の行為により、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。)の徴収を免れ、又はその還付を受けたことがないこと。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
報奨金省令2条1項
労働保険事務組合は、報奨金の交付を受けようとするときは、所定の事項を記載した申請書(労働保険事務組合報奨金交付申請書)を10月15日までに所轄都道府県労働局長に提出しなければならないことになっている。
よって、「所轄公共職業安定所長」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
報奨金政令2条1項
労働保険料に係る報奨金の額は、労働保険事務組合ごとに、次のいずれか低い額以内とされている。
(1)1,000万円
(2)事業主の委託を受けて納付した前年度の労働保険料(督促を受けて納付した労働保険料を除く。)の額(その額が確定保険料の額を超えるときは、当該確定保険料の額)に100分の2を乗じて得た額に厚生労働省令で定める額を加えた額
よって、「2千万円以下の額」とした問題文は誤りとなる。

  

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