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トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成16年労災-第8問(適用事業)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成16年労災-第8問(適用事業)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)事業の期間が予定される事業であっても、その期間が厚生労働省令が定める期間を超えるものは、継続事業である。

(B)継続事業として保険関係が成立している事業であっても、事業の再編等のため、厚生労働省令が定める期間内に事業が終了することが確定するにいたったときは、その保険年度の次の保険年度の初日からは、有期事業となる。

(C)建設の事業、立木の伐採の事業その他厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合には、徴収法の適用については、その事業は一の事業とみなされ、元請負人のみが当該事業の事業主とみなされる。

(D)二以上の有期事業が徴収法の適用について一の事業とみなされる場合には、労働保険料の申告・納付に関しては継続事業として扱われる。

(E)事業主が同一人である二以上の継続事業について成立している保険関係を一の保険関係に一括するのに必要な要件は、すべての事業が一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しており、かつ、 労災保険率が同一であることである。



■解説

(A)誤り
法7条
有期事業とは、事業目的を達成したときに終了する、事業期間が予定されている事業をいう。
よって、事業期間が予定されている事業は、継続事業になることはなく、問題文は誤りである。

(B)誤り
法7条、法9条
継続事業とは、倒産等がない限り、事業が継続する、事業期間が予定されていない事業をいう。
よって、「事業の再編等のため、厚生労働省令が定める期間内に事業が終了することが確定するにいたった」としても継続事業が有期事業になることはなく、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法8条1項、則7条
請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業が、数次の請負により行われる場合に法律上当然に行われることになっている。
そして、請負事業の一括が行われた場合は、元請負人のみを当該事業の事業主とすることになっている。
よって、「立木の伐採の事業その他厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合」であっても請負事業の一括は行われず問題文は誤りとなる。
なお、請負事業の一括が行われた場合、下請負事業の労災保険率は元請負事業に適用される労災保険率が適用されることになっている。(昭和30年9月2日基発571号)

(D)正解
法7条、昭和40年7月31日基発901号
有期事業の一括が行われた場合には、労働保険料の申告・納付に関しては継続事業として取り扱われることになっている。
よって、問題文は正解である。

(E)誤り
法9条、則10条1項1号
2以上の事業が次の要件を満たしている場合に、事業主が申請し、厚生労働大臣の認可(都道府県労働局長に委任)を受けることにより保険関係を一括することができる。(継続事業の一括)
1.それぞれの事業主が同一であること
2.それぞれの事業が継続事業であること
3.それぞれの事業が次のいずれかであること
(1)労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業であること
(2)雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業であること
(3)一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業であること
4.それぞれの事業の労災保険率表による事業の種類が同じであること
よって、「すべての事業が一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しており、かつ、 労災保険率が同一であること」以外にも継続事業の一括が行われる事業があるため、問題文は誤りとなる。
なお、継続事業の一括が行われた場合は、2以上の事業に使用される労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなされ、また、当該一の事業以外の事業に係る保険関係は消滅することになる。

  

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