社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(労働保険徴収法) 平成19年労災-第10問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成19年労災-第10問(法令全般関係)

次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、以下において、「労働保険徴収法施行規則」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則」のことである。


(A)労災保険に係る労働保険の保険関係が成立しているすベての事業の事業主は、労災保険関係成立票を見易い場所に掲げなければならない。

(B)事業主は、あらかじめ代理人を選任した場合には、労働保険徴収法施行規則によって事業主が行わなければならない事項を、その代理人に行わせることができるが、事業主は、代理人を選任したときは、所定の様式により、その旨を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に届け出なければならない。

(C)事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を、その完結の日から1年間保存しなければならない。

(D)労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税の先取特権の順位に劣後するが、地方税及び厚生年金保険の保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金とは同順位である。

(E)事業主は、労働保険徴収法の規定に基づき、一般保険料の額のうち被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除する場合には、文書により、その控除額を労災保険率に応ずる部分の額と雇用保険率に応ずる部分の額とに分けて当該被保険者に知らせなければならない。



■解説

(A)誤り
則74条
労災保険関係成立票を見易い場所に掲げなければならないことになっているのは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業に係る事業主とされている。
よって、労災保険関係成立票を掲げなければならないのを「すベての事業の事業主」とした問題文は誤りである。

(B)正解
則71条
事業主は、あらかじめ代理人を選任した場合には、労働保険徴収法施行規則によって事業主が行なわなければならない事項を、その代理人に行なわせることができる。
そして、事業主が、その代理人を選任し、又は解任したときは、代理人選任・解任届(様式第23号)により、その旨を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に届け出なければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、代理人選任・解任届に記載された事項であって代理人の選任に係るものに変更を生じたときも、同様に届出する必要がある。

(C)誤り
則70条
事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を、その完結の日から3年間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿は4年間)保存しなければならないとされている。
よって、書類の保存期間を「その完結の日から1年間」とした問題文は誤りである。

(D)誤り
法28条、厚生年金保険法88条
労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされている。
そして、厚生年金保険の保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の先取特権の順位も同じく、国税及び地方税に次ぐものとされている。
よって、労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は、厚生年金保険の保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金とは同順位であるが、地方税には後れることになり「地方税及び厚生年金保険の保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金とは同順位」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法30条、法31条
労災保険に係る保険料は、その全額が事業主負担となっており、被保険者の負担はない。
雇用保険に係る保険料は、雇用保険二事業に応じる部分が全額事業主負担となっており、残りの部分の2分の1が被保険者負担となっている。
そして、事業主は、被保険者に賃金を支払う都度、当該賃金に応ずる被保険者の負担すべき保険料の額に相当する額を当該賃金から控除することができることになっており、その場合は、労働保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に知らせなければならないとされている。
よって、「その控除額を労災保険率に応ずる部分の額と雇用保険率に応ずる部分の額とに分けて当該被保険者に知らせなければならない」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(労働保険徴収法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved