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■平成22年労災-第8問(概算保険料の延納)

概算保険料の延納に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、以下において、保険料の納付等に関する期限は、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日又は土曜日に当たらないものとし、また、本問において、「認定決定」とは労働保険徴収法第15条第3項又は同法第19条第4項の規定に基づき所轄都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料額を決定し、これを事業主に通知することをいう。

(A)納付すべき概算保険料の額が40万円以上であり、当該保険年度の9月30日までに保険関係が成立している継続事業の事業主は、認定決定を受けたときは、認定決定された当該概算保険料の額について、延納の申請をすることができない。

(B)保険関係が7月1日に成立し、当該保険年度の納付すべき概算保険料の額が40万円以上である継続事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をした場合は、当該保険関係成立の日から11月30日までの期間を最初の期とし、保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内に最初の期分の概算保険料を納付しなければならない。

(C)保険関係が7月1日に成立し、事業の全期間が6か月を超え、また当該保険年度の納付すべき概算保険料の額が75万円以上である有期事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をした場合は、当該保険関係成立の日から11月30日までの期間が最初の期となり、当該最初の期分の概算保険料については、7月21日が納期限となる。

(D)労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している継続事業の事業主が、概算保険料の延納の申請をし、当該概算保険料を3期に分けて納付する場合には、各期分の概算保険料の納期限は、最初の期分は7月14日、第2の期分は11月14日、第3の期分は翌年2月14日となる。

(E)継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても、増加後の概算保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納することができる。



■解説

(A)誤り
法18条、則27条、則29条
当該保険年度の9月30日までに保険関係が成立している継続事業(一括有期事業を含む)であって、納付すべき概算保険料の額が40万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの(納付すべき概算保険料の額は問わない)についての事業主は概算保険料申告書の提出に際し申請することによって延納することができる。
政府によって、認定決定された概算保険料についても、事業主がその概算保険料を納付する際に延納の申請を行うことにより延納を行うことが可能である。
よって、「延納の申請をすることができない」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法18条、則27条
継続事業(一括有期事業を含む)の場合は、納付すべき概算保険料の額が40万円以上(労災保険又は雇用保険の一方のみ保険関係が成立している事業の場合は20万円以上)である場合は、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することができることになっている。
その場合の概算保険料の延納は、3期に分けて納付することができ、各期の期間及び納期限は次のとおりである。
1期(4月1日から7月31日)→納期限(7月10日)
2期(8月1日から11月30日)→納期限(10月31日)
3期(12月1日から翌年3月31日)→納期限(1月31日)
そして、年度の途中に保険関係が成立した場合、保険関係成立日が4月1日から5月31日までの場合は3回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から7月31日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(8月1日から11月 30日)の納期限(10月31日)、第3の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっており、保険関係成立日が6月1日から9月30日の場合は2回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から11月30日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっている。
しかし、保険関係成立日が10月1日以後の場合は延納することができないこととされている。
よって、「保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内」とした問題文は誤りとなる。
※労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、第2の期分以降の納期限のうち、10月31日の納期限が11月14日、1月31日の納期限が2月14日となるので注意すること

(C)正解
法15条2項、法18条、則28条
事業の全期間が6か月を超える有期事業の場合、概算保険料額が75万円以上であるときは、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することができることになっている。
そして、その概算保険料を、その事業の全期間を通じて、毎年4月1日から7月31日まで、8月1日から11月30日まで及び12月1日から翌年3月31日までの各期(期の中途に保険関係が成立した事業については、保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月を超えるときは保険関係成立の日からその日の属する期の末日までを、2月以内のときは保険関係成立の日からその日の属する期の次の期の末日までを最初の期とする。)に分けて納付することができ、最初の期の納期限は保険関係成立日の翌日から起算して20日以内となっており、2期目以降の納期限は次のようになっている。
4月1日から7月31日→納期限(3月31日)
8月1日から11月30日→納期限(10月31日)
12月1日から翌年3月31日→納期限(1月31日)
よって、保険関係が7月1日に成立した場合は、最初の期が7月1日から11月30日となり、納期限は7月21日となり問題文は正解である。
なお、有期事業については、継続事業の場合と異なり、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合でも、各期の納期限が同じである。

(D)誤り
法18条、則27条
継続事業(一括有期事業を含む)の場合は、納付すべき概算保険料の額が40万円以上(労災保険又は雇用保険の一方のみ保険関係が成立している事業の場合は20万円以上)である場合は、概算保険料申告書の提出時に申請することにより、概算保険料を延納することができることになっている。
その場合の概算保険料の延納は、3期に分けて納付することができ、各期の期間及び納期限は次のとおりである。
1期(4月1日から7月31日)→納期限(7月10日)
2期(8月1日から11月30日)→納期限(10月31日)
3期(12月1日から翌年3月31日)→納期限(1月31日)
そして、年度の途中に保険関係が成立した場合、保険関係成立日が4月1日から5月31日までの場合は3回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から7月31日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(8月1日から11月 30日)の納期限(10月31日)、第3の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっており、保険関係成立日が6月1日から9月30日の場合は2回に分けて概算保険料を延納することができ、それぞれの納期限は、最初の期分(保険関係成立日から11月30日)の納期限(保険関係成立日の翌日から起算して50日以内)、第2の期分(12月1日から翌年3月31日)の納期限(1月31日)となっている。
しかし、保険関係成立日が10月1日以後の場合は延納することができないこととされている。
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、第2の期分以降の納期限のうち、10月31日の納期限が11月14日、1月31日の納期限が2月14日となるが、最初の期分の納期限は7月10日である。
よって、「最初の期分は7月14日」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法16条、法18条、則30条
増加概算保険料の延納の申請をすることができるのは、当初の概算保険料又は認定決定に係る概算保険料について延納している場合に限られている。
よって、「増加前の概算保険料の延納をしていないときであっても」とした問題文は誤りとなる。

  

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