社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト | |||||
トップページ > 過去問研究室(労働保険徴収法)> 平成22年労災-第10問(労災保険のメリット制) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労災保険のいわゆるメリット制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)メリット収支率の算定に当たっては、特別加入の承認を受けた海外派遣者に係る保険給付及び特別支給金の額は、その算定基礎となる保険給付の額には含まれない。 (B)労働保険徴収法第7条の規定により有期事業の一括の適用を受けている建設の事業の場合において、メリット制の適用を受けるためには、当該保険年度の請負金額の総額が1億1000万円以上であることが必要である。(一部改正) (C)労働保険徴収法第20条に規定する有期事業のメリット制の適用により、確定保険料の額を引き上げた場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該引き上げられた確定保険料の額と当該事業主が既に申告・納付した確定保険料の額との差額を徴収するものとし、通知を発する日から起算して30日を経過した日を納期限と定め、当該納期限、納付すべき当該差額及びその算定の基礎となる事項を事業主に通知しなければならない。 (D)労働保険徴収法第20条に規定する有期事業のメリット制の適用により、確定保険料の額を引き下げた場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該引き下げられた確定保険料の額を事業主に通知するが、この場合、当該事業主が既に申告・納付した確定保険料の額と当該引き下げられた額との差額の還付を受けるためには、当該通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、所轄都道府県労働局資金前渡官吏に労働保険料還付請求書を提出する必要がある。 (E)継続事業のメリット制が適用され、所定の数以下の労働者を使用する事業の事業主が、労働保険徴収法第12条の2に規定するメリット制の特例の適用を受けようとする場合は、連続する3保険年度中のいずれかの保険年度において、労働者の安全又は衛生を確保するための所定の措置を講じ、かつ、所定の期間内に当該措置が講じられたことを明らかにすることができる書類を添えて、労災保険率特例適用申告書を提出していることが必要である。
(A)正解 法12条3項 法12条3項、則18条の2 メリット収支率は、基準となる3月31日以前の連続する3保険年度の間における業務災害に関する保険給付及び特別支給金の額と、労災保険料率に応ずる一般保険料額から非業務災害率に応ずる部分を減額した額に第一種特別加入保険料の額から特別加入非業務災害率(非業務災害から二次健康診断等給付に係る率を減じた率)に応ずる部分の額を減じた額を加えた額に第一種調整率を乗じて得た額等から計算される率であるが、次のものは計算の基礎から除かれることとされている。 1.失権後の遺族補償一時金 2.障害補償年金差額一時金 3.特定疾病に係る保険給付の額 4.第三種特別加入保険料額及び第三種特別加入者に係る保険給付の額 5.上記1から4に係る特別支給金 よって、問題文は正解となる。 (B)誤り 法12条3項、則17条3項 継続事業(一括有期事業を含む。)におけるメリット制が適用される事業規模の要件は、連続する3保険年度中の各保険年度において次のいずれかに該当する事業である。 1.100人以上の労働者を使用する事業 2.20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって、災害度係数(労災保険率から非業務災害率を控除した率を労働者数に乗じて得た数)が0.4以上の事業 3.一括有期事業である建設の事業及び立木の伐採の事業については、当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上の事業 よって、「当該保険年度の請負金額の総額が1億1000万円以上」とした問題文は誤りとなる。 (C)正解 法17条1項、法20条3項・4項、則26条 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料を追加徴収しようとする場合には、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、事業主に、次の事項を通知しなければならないことになっている。 (1)一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率又は第三種特別加入保険料率の引上げによる労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項 (2)納期限 よって、問題文は正解となる。 (D)正解 法20条3項・4項、則36条 確定保険料の額を引き下げられた場合に、事業主が既に申告・納付した確定保険料の額と当該引き下げられた額との差額の還付を受けるためには、当該通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、所轄都道府県労働局資金前渡官吏に労働保険料還付請求書を提出する必要がある。 よって、問題文は正解となる。 なお、事業主からの還付請求がない場合に、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その超過額を次の保険年度の概算保険料、未納の労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金、未納の一般拠出金等に充当するものとされている。 (E)正解 法12条の2、則20条の4 継続事業のメリット制が適用され、所定の数以下の労働者を使用する事業の事業主が一定の労働者の安全又は衛生を確保するための特別の措置を講じたときは、メリット制の増減幅を100分の45に拡大するメリット制の特例が適用されるが、その要件は次のとおりである。 (1)常時300人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下の数の労働者を使用する事業主であること (2)連続する3保険年度中のいずれかの保険年度においてその事業に使用する労働者の安全又は衛生を確保するための措置で厚生労働省令で定めるものを講じたときであって、当該措置が講じられた保険年度のいずれかの保険年度の次の保険年度の初日から6か月以内に、当該事業に係る労災保険率につきメリット制の特例の適用を受けようとする旨その他厚生労働省令で定める事項を記載した労災保険率特例適用申告書を提出していること よって、問題文は正解となる。 |
|||||
→社会保険労務士試験過去問研究室(労働保険徴収法)に戻る | |||||
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved | |||||