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トップページ > 過去問研究室(労働保険徴収法)> 平成23年労災-第8問(労働保険の増加概算保険料) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労働保険の増加概算保険料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行なわなければならないが、有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである。 (B)労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。 (C)増加概算保険料の納付の要件に該当するに至っている場合であって、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。 (D)継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなったが、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至らなかった場合には、確定保険料の申告・納付の際に精算する必要がある。 (E)増加概算保険料申告書は所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないとされているが、一定の区分に従い、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)、年金事務所(日本年金機構法第29条の年金事務所をいう。)又は労働基準監督署を経由して行うことができる。
(A)正解 法16条 増加概算保険料の納付の要件に該当するに至ったときは、当該賃金総額の増加が見込まれた日(現実に支払った賃金の総額がすでに申告した賃金総額の見込み額の2倍を超えるに至った日ではない。)から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行うものであり、継続事業であると有期事業であるとを問わず、納期限は同じとされている。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 法16条、法附則5条、則25条1項、則附則4条 増加概算保険料の納付の要件は、次のとおりとされている。 (1)増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であるとき (2)労災保険料に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立していた事業が労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料率が上がった場合において、上がった後の一般保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、すでに納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるとき よって、問題文は正解となる。 (C)誤り 法16条 増加概算保険料の納付の要件に該当するに至ったときは、すでに納付した概算保険料と増加を見込んだ賃金総額の見込額に基づいて算定した概算保険料との差額を「増加概算保険料申告書」に添えて申告・納付しなければならないことになっているが、申告書を提出しない場合等であっても増加概算保険料については政府の認定決定は行われない。 よって、「所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。」とした問題文は誤りとなる。 (D)正解 法16条、法19条 賃金総額の見込額の増加がわずかである場合にも増加概算保険料の納付等をさせることは、いたずらに事務の煩雑を来すこととなるので、増加概算保険料の申告・納付には一定の要件が設けられている。 増加概算保険料の要件に該当しない場合は、労働保険料の年度更新によりその期間が終わってから確定額で申告し、当該確定額と納付した概算保険料額との差額(納付した概算保険料がないときは当該確定額)を納付することになっている。 よって、問題文は正解となる。 (E)誤り 則38条 増加概算保険料申告書は、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないとされているが、日本銀行、労働基準監督署を経由して行うことができることになっている。 よって、「年金事務所を経由して行うことができる」とした問題文は誤りとなる。 なお、年金事務所を経由して所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することができるのは、概算保険料申告書(口座振替による納付等を除く)及び法19条3項の規定により納付すべき労働保険料がある場合における確定保険料申告書であって有期事業以外の事業(労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託されているものを除く。)についての一般保険料に係るもの(厚生年金保険法による厚生年金保険又は健康保険法による健康保険の適用事業所の事業主が6月1日から40日以内に提出するものに限る。)とされている。 ※本問については、本来正答とされるべき選択肢(C)以外にも選択肢(E)が誤った内容のものであったため、(C)及び(E)の選択肢を正答として採点する旨、社会保険労務士試験センターから発表があった。 |
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