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トップページ過去問研究室(労働基準法) 平成14年労基-第1問(労働基準法の総則等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成14年労基-第1問(労働基準法の総則等)

労働基準法の総則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることは禁止されているが、性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止されていない。

(B)労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定を 締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者数の算定に当たっては、当該事業場においては時間外労働及び休日労働が全く予定されていないようなパート タイム労働者なども含めなければならないが、長期間の病気などにより休職発令を受けて休職中の労働者で当該協定期間中に出勤が全く予想されないものは含まれない。

(C)労働基準法の別表第1には第1号から第15号まで各種の事業が掲げられているが、同法の適用はこれらの事業に限られるものではない。

(D)労働者派遣は、派遣元と労働者との間の労働契約関係及び派遣先と労働者との間の指揮命令関係を合わせたものが全体として当該労働者の労働関係となるものであり、したがって、派遣元による労働者の派遣は、労働関係の外にある第三者が他人の労働関係に介入するものではなく、労働基準法第6条の中間搾取に該当しない。

(E)使用者は、労働基準法第7条の規定により、労働者が労働時間中に公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては拒んではならないが、この「公の職務の執行」には、消防組織法第15条の6の非常勤の消防団員の職務は該当しないと考えられている 。



■解説

(A)正解
法3条
なお、賃金については、法4条で性別を理由とする差別的取扱いが禁止されている。

(B)誤り
法36条1項、昭和46年1月18日基収6206号、昭和63年3月14日基発150号、平成11年3月31日基発168号
36協定は、当該事業場において、時間外労働又は休日労働の対象となる労働者の意思を問うものではなく、事業上に使用されている労働者の過半数の意思を問うためのものである。
よって、「監督又は管理の地位にある者」、「機密の事務を取り扱う者」、「原則として時間外労働又は休日労働をさせることができない年少者」、「病気などによる休職期間中の者」なども在籍している限り労働者に含める必要がある。

(C)正解
法116条2項、法別表第1
労働基準法は、同居の親族のみを使用する事業を除き、労働者を使用するすべての事業に適用される。
なお、法別表第1は、事業の種類ごとにその適用を区分(年少者や児童に関する規定など)する必要があるものについて列挙したものである。

(D)正解
法6条、昭和61年6月6日基発333号、昭和63年3月14日基発150号、平成11年3月31日基発168号
労働者派遣とは、派遣元と派遣労働者の労働契約が存在し、派遣元と派遣先の派遣契約に基づき、派遣先の指揮命令によって勤務することであり、第三者が他人の労働関係に介入するものではないため、法6条の中間搾取には該当しない。

(E)正解
法7条、昭和63年3月14日基発150号
「非常勤の消防団員の職務」の他、「予備自衛官が防衛招集又は訓練招集に応じる」ことも法7条の「公の職務の執行」に該当しない。
法令に基づくすべての「公の職務」が法7条の「公の職務」に該当するわけではない。

  

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