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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成19年労基-第2問(労働基準法に定める賃金等) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)労働基準法上、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうとされているが、使用者が労働者に支払うものであっても、実費弁償として支払われる旅費は、賃金ではない。 (B)労働者が法令の定めにより負担すべき社会保険料を使用者が労働者に代わって負担する場合は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、この使用者が労働者に代わって負担する部分は、労働基準法第11条の賃金には該当しない。 (C)解雇予告手当(労働基準法第20条の規定に基づき、解雇の予告に代えて支払われる平均賃金をいう。以下同じ。)は、同法第11条の賃金ではない。 (D)労働基準法第26条の規定に基づき、使用者が、その責めに帰すべき事由による休業の場合に支払わなければならない休業手当は、同法第11条の賃金と解される。したがって、同法第24条第2項が適用され、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。 (E)労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条の賃金であり、同法第24条第2項の「臨時の賃金等」に当たる。
(A)正解 法11条、昭和26年12月27日基収6126号 労働基準法では「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 」と定義されているが、実費弁償として支払われる旅費、社用のために役職員に支払われる役職員交際費は、賃金ではないと解釈されている。 よって、問題文は正解となる。 また、作業用品代も損料又は実費弁済と認められ賃金ではないと解釈されている。(昭和27年5月10日基収2162号) (B)誤り 法11条、昭和63年3月14日基発150号 労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等を含む。)を事業主が労働者に代わって負担する場合は、労働者が法律上当然生ずる義務を免れるのであるから、この事業主が労働者に代わって負担する部分は賃金とみなされる。 よって、「労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、この使用者が労働者に代わって負担する部分は、労働基準法第11条の賃金には該当しない。」とした問題文は誤りである。 なお、福利厚生のために使用者が負担する生命保険料等補助金は賃金には該当しないされている。(昭和63年3月14日基発150号) (C)正解 法11条、昭和23年8月18日基収2520号 解雇予告手当は、労働基準法によって創設されたものであり、労働の対償となる賃金には含まれないとされている。 よって、問題文は正解である。 なお、賃金に含まれないために解雇予告手当については、法24条の通貨払の原則、直接払の原則の規定は適用されないが、賃金に準じて通貨で直接支払うよう取り計るべきものとされている。 (D)正解 法26条、昭和25年4月6日基収207号、昭和63年3月14日基発150号 使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合における休業手当については支払期日に関する明文の定めがないが、休業手当を賃金と解し法24条2項に基づく所定賃金支払日に支払うべきであるとされている。 よって、問題文は正解である。 (E)正解 法11条、昭和22年9月13日発基17号 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないとされている。 よって、労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法上の賃金となり、賃金の支払いの規定の適用については、「臨時の賃金等」に該当する。 |
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