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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成23年労基-第2問(労働基準法に定める労働契約) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労働基準法に定める労働契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(労働基準法第14条第1項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならず、また、期間を定める労働契約の更新によって継続雇用期間が10年を超えることがあってはならない。 (B)労働基準法第15条第1項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。 (C)使用者は、労働契約の締結において、労働契約の不履行について違約金を定めることはできないが、労働者が不法行為を犯して使用者に損害を被らせる事態に備えて、一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定めることはできる。 (D)労働基準法は、金銭貸借に基づく身分的拘束の発生を防止することを目的として、使用者が労働者に金銭を貸すこと、及び貸金債権と賃金を相殺することを禁止している。 (E)使用者は、労働者の福祉の増進を図るため、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定に基づき、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をすることができる。
(A)誤り 法14条1項 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(労基法14条1項の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならないことになっているため、この部分の問題文の記述は正しいが、「期間を定める労働契約の更新によって継続雇用期間が10年を超えることがあってはならない」については規定されておらず、問題文は誤りの肢となる。 (B)正解 法15条2項 労働基準法第15条第1項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができることになっている。 よって、問題文は正解となる。 なお、就業のために住居を変更した労働者が、明示された労働条件と事実が相違することを理由に労働契約を解除してその日から14日以内に帰郷する場合には、使用者は、労働者の帰郷のために必要な旅費を負担しなければならないことになっている。(法15条3項) (C)誤り 法16条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないことになっている。 よって、「一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定めることはできる」とした問題文は誤りとなる。 なお、この規定は、金額を予定することを禁止するのであって、現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止する趣旨ではないこととされている。(昭和22年9月13日発基17号) (D)誤り 法17条、昭和23年10月15日基発1510号、昭和23年10月23日基収3633号、昭和63年3月14日基発150号 前借金相殺の禁止の規定は、前借金により身分的拘束を伴い労働が強制されるおそれがあること等を防止するため「労働することを条件とする前貸の債権」と賃金を相殺することを禁止するものであるから使用者が労働組合との労働協約の締結あるいは労働者からの申出に基づき、生活必需品の購入等のための生活資金の貸付け、その後この貸付金を賃金より分割控除する場合においても、その貸付の原因、期間、金額、金利の有無等を総合的に判断して労働することが条件となっていないことが極めて明白な場合には、この規定は適用されないこととされている。 よって、「使用者が労働者に金銭を貸すこと、及び貸金債権と賃金を相殺することを禁止」とした問題文は誤りとなる。 (E)誤り 法18条1項 使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならないことになっている。 よって問題文は誤りとなる。 なお、労働契約に付随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることは差し支えないとされているが、この場合には、使用者は労使協定の締結及び届出、貯蓄金管理規程の作成、一定の利子を付すること、返還請求に応じること等の規則に従う必要がある。(法18条) |
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