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トップページ過去問研究室(労働基準法) 平成23年労基-第3問(労働基準法に定める解雇等)
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■平成23年労基-第3問(労働基準法に定める解雇等)

労働基準法に定める解雇等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働基準法第20条は、雇用契約の解約予告期間を2週間と定める民法第627条第1項の特別法に当たる規定であり、労働者が一方的に労働契約を解約する場合にも、原則として30日前に予告することを求めている。

(B)客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇をした使用者は、労働基準法に基づき、罰則に処される。

(C)労働基準法第20条所定の予告期間及び予告手当は、3か月の期間を定めて試の使用をされている者には適用されることはない。

(D)労働基準法第20条所定の予告期間及び予告手当は、6か月の期間を定めて使用される者が、期間の途中で解雇される場合には適用されることはない。

(E)天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても、使用者は、労働基準法第20条所定の予告手当を支払うことなく、労働者を即時に解雇しようとする場合には、行政官庁の認定を受けなければならない。



■解説

(A)誤り
法20条1項、民法627条
解雇の予告の規定は、いわゆる解雇自由の原則については直接修正を加えることなく、ただ、労働者が突然の解雇から被る生活の困窮を緩和するため、使用者に対して労働者を解雇する場合に30日前に解雇の予告をすべきことを義務付けたものである。
よって、この規定は労働者には適用されず、「労働者が一方的に労働契約を解約する場合にも、原則として30日前に予告することを求めている」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法13章罰則、労働契約法16条
解雇に関する規定は労働契約法16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。 」と定められているが違反した場合の罰則は定められておらず、労働基準法にも罰則の規定はおかれていない。
よって、「労働基準法に基づき、罰則に処される」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法21条
労基法20条の解雇の予告の規定は、次に該当する労働者については適用しないこととされている。
但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至った場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでないとされている。
(1)日日雇い入れられる者
(2)2箇月以内の期間を定めて使用される者
(3)季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
(4)試の使用期間中の者
よって、「3か月の期間を定めて試の使用をされている者には適用されることはない」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
労基法20条の解雇の予告の規定は、次に該当する労働者については適用しないこととされている。
但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至った場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでないとされている。
(1)日日雇い入れられる者
(2)2箇月以内の期間を定めて使用される者
(3)季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
(4)試の使用期間中の者
よって、「6か月の期間を定めて使用される者が、期間の途中で解雇される場合には適用されることはない」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないことになっている。
但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、予告期間又は解雇予告手当を支払うことなく解雇することが可能である。しかし、この場合は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受ける必要がある。
よって、問題文は正解となる。

  

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