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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成23年労基-第5問(労働基準法に定める就業規則) | |||||||||
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労働基準法に定める就業規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職に関する事項(解雇の事由を含む。)を、就業規則に必ず記載しなければならない。 (B)常時10人以上の労働者を使用する使用者は、当該事業場の労働者すべてを対象にボランティア休暇制度を定める場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければならない。 (C)常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し又はその内容を変更した場合においては、所轄労働基準監督署長にこれを提出し、その許可を受けなければならない。 (D)就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合において、一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が当該賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超える定めは、無効となる。 (E)労働基準法第106条に定める就業規則の周知義務は、磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することによっても果たされ得る。
(A)正解 法89条 就業規則には、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項と定めをする場合においては記載する必要がある相対的必要記載事項があるが、退職に関する事項(解雇の事由を含む。)は、絶対的必要記載事項である。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 法89条 就業規則には、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項と定めをする場合においては記載する必要がある相対的必要記載事項があるが、本文に記述のあるボランティア休暇制度を定める場合は、「労働者のすべてに適用される定めをする場合」に該当するため、定めをする場合には記載する必要がある相対的必要記載事項である。 よって、問題文は正解となる。 (C)誤り 法89条 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、又はその内容を変更した場合には、行政官庁(労働基準監督署長)に届け出する必要があるが、許可を得ることは要件とされていない。 よって、「その許可を受けなければならない」とした問題文は誤りとなる。 (D)正解 法91条、昭和23年9月20日基収1789号 法91条(制裁規定の制限)は、1回の事案に対しては減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内、又一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が、当該賃金支払期における賃金の総額の10分の1以内でなければならないとする趣旨である。 また、法91条は就業規則の規定によって科せられるべき減給の額を制限し、その範囲内において減給を行うべきことを定めているものと解されるので、法91条が禁止している行為は、就業規則に本条の制限を超えた減給の制裁の定めをすることではなく、91条の制限に違反して減給することであると考えられているが、法91条の規定に違反した就業規則ないし労働協約は、当該部分それ自体無効と解すべきとされている。 よって、問題文は正解となる。 (E)正解 法106条1項、則52条の2 就業規則の周知方法については、次のいずれかの方法で行う必要がある。 (1)常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。 (2)書面を労働者に交付すること。 (3)磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。 よって、労働者全員が集まる集会の場で会社の人事担当責任者がその内容を口頭で詳しく説明するという方法によっては周知したものと認めらないため問題文は正解となる。 (参考)
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