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トップページ > 過去問研究室(労働基準法)> 平成28年労基-第4問(労働基準法に定める労働時間等) | |||||
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労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)労働基準法第32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」とするのが、最高裁判所の判例である。 (B)労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制は、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定に委ねることを要件としており、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定に委ねるものは本条に含まれない。 (C)労働基準法第32条の4に定めるいわゆる一年単位の変形労働時間制の対象期間は、1か月を超え1年以内であれば、3か月や6か月でもよい。 (D)労働基準法第32条の5に定めるいわゆる一週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業、旅館、料理店若しくは飲食店の事業の事業場、又は、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場、のいずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。 (E)労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働者が自由に利用することが認められているが、休憩時間中に企業施設内でビラ配布を行うことについて、就業規則で施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定めることは、使用者の企業施設管理権の行使として認められる範囲内の合理的な制約であるとするのが、最高裁判所の判例である。
(A)正解 法32条、三菱重工長崎造船所事件(平成12年3月9日) 最高裁判所は「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」としている。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 法32条の3、昭和63年1月1日基発1号、平成11年3月31日基発168号 フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を定める必要があるとされている。その場合、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定にゆだねる必要があり、始業時刻又は就業時刻の一方についてのみ労働者の決定にゆだねるのでは足りないものであることとされている。 よって、問題文は正解となる。 (C)正解 法32条の4 1年単位の変形労働時間制の対象期間は「1か月を超え1年以内の期間に限るものとする」とされており、1か月を超え1年以内であれば、3か月、6か月でもよいこととされている。つまり、1年間を通じて変形労働時間制を採用することもできれば、1年間の一定期間の時期についてのみ適用することもできる。 よって、問題文は正解となる。 なお、1年単位の変形労働時間制は、対象期間を単位として適用されるものであるので、労使の合意によって対象期間の途中でその適用を中止することはできないものと解され、少なくともその対象期間中は、その適用が継続されることになる。 (D)誤り 法32条の5 1週間単位の非定型的変形労働時間制については、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業であって規模30人未満のものについて、労使協定において、1週間の所定労働時間として40時間以内の時間を定めることで採用できることになっている。 よって、「いずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。」とした問題文は誤りとなる。 なお、1週間単位の非定型的変形労働時間制を採用した場合には、各日の労働時間は1日10時間を限度として、原則として前週末までに翌週の各日の労働時間を書面で通知することを要するとともに労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要となる。 (E)正解 法34条、電電公社目黒電報電話局事件(昭和52年12月13日) 最高裁判所は「雇用契約に基づき使用者の指揮命令、監督のもとに労務を提供する従業員は、休憩時間中は、労基法34条3項により、使用者の指揮命令権の拘束を離れ、この時間を自由に利用することができ、もとよりこの時間をビラ配り等のために利用することも自由であって、使用者が従業員の休憩時間の自由利用を妨げれば労基法34条3項違反の問題を生じ、休憩時間の自由利用として許される行為をとらえて懲戒処分をすることも許されないことは、当然である。しかしながら、休憩時間の自由利用といってもそれは時間を自由に利用することが認められたものにすぎず、その時間の自由な利用が企業施設内において行われる場合には、使用者の企業施設に対する管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることはできない。」としている。 よって、問題文は正解となる。 |
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