社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト | |||||
トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成15年労災-第5問(保険給付) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者については、その保険給付に相当する金額の全部又は一部を政府によって徴収されるほか、労災保険法上の罰則が適用される。 (B)年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したが、死亡した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金に係る債権の金額に充当することができる。 (C)保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、所定の届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をせず、又は行政庁の報告命令、受診命令等に従わないときは、政府は、保険給付の全部又は一部の支給を取り消し、その返還を命ずることができる。 (D)保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けることができるときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。 (E)行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者の診療を担当した医師その他の者に対して、当該診療について報告又は診療録その他の物件の提示を命ずることができ、当該報告又は物件の提示を拒んだ場合には、政府は、保険給付の支払を一時差し止めることができる。
(A)誤り 法12条の3第1項、法51条、法53条、法54条 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができるとされているが、労災保険法に罰則は規定されていない。 よって、「罰則が適用される」とした問題文は誤りである。 (B)正解 法12条の2、則10条の2、昭和55年12月5日基発673号 年金たる保険給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が誤って支払われた場合、すなわち過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(返還金債権)の管理の簡素化を図るため当該返還金に係る債務の弁済をなすべき者に支払うべき一定の保険給付があるときは、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができることとされている。 なお、年金たる保険給付の受給権者の死亡に関し支給される保険給付が二種類あるときは、葬祭料及び葬祭給付以外の保険給付を優先して返還金債権に充当することとされている。 (C)誤り 法47条の3 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、所定の届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をしないとき、又は行政庁の報告命令、受診命令等に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができるとされているが、保険給付の全部又は一部の支給を取り消し、その返還を命ずることはできない。 よって問題文は誤りである。 (D)誤り 法12条の4第2項 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができるとされている。 問題文は「損害賠償を受けることができるとき」としているので誤りである。 (E)誤り 法49条1項 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができることになっているが、当該報告又は物件の提示を拒んだ場合であっても、政府は、保険給付の支払を一時差し止めることはできない。 よって問題文は誤りである。 なお、診療担当者等が、命令に違反して報告をせず、虚偽の報告をし、若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示をせず、又は同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合は、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることになっている。 |
|||||
→社会保険労務士試験過去問研究室(労災保険法)に戻る | |||||
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved | |||||