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トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成19年労災-第7問(保険給付の通則) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)事業主の故意若しくは重大な過失により生じた業務災害又は労働安全衛生法その他労働者の安全及び衛生の確保を図るための法令に事業主が違反したことにより生じた業務災害について保険給付を行ったときは、政府は、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を当該事業主から徴収することができる。 (B)偽りその他不正な手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。 (C)労働者が偽りその他不正な手段により保険給付を受けたときは、これに係る事業主の報告又は証明の真偽にかかわらず、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して、保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができる。 (D)労働者の業務災害に関する保険給付は、当該労働者を使用する事業主の災害補償責任に基づくものであるので、その費用については事業主が保険料としてその全額を負担するが、通勤災害に関する保険給付の費用については、その一定割合を国庫が負担することとなっている。 (E)通勤災害により保険給付を受ける者は、その受ける保険給付の額を合計した額が厚生労働省令で定める額を超えることとなったときは、当該保険給付の費用の一部として、厚生労働大臣が定める額を負担しなければならない。
(A)誤り 法31条1項 政府は、事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故について保険給付を行ったときは、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができるとされているが、「労働安全衛生法その他労働者の安全及び衛生の確保を図るための法令に事業主が違反したことにより生じた業務災害」について行った保険給付に関して費用徴収できることは条文上規定されていない。 よって、問題は誤りとなる。 (B)正解 法12条の3第1項 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。 よって、問題文は正解となる。 なお、「偽りその他不正の手段」とは、保険給付を受ける手段として不正が行われた場合のすべてをいい、その不正行為は、保険給付を受けた者の行為に限られないとされており、また、「保険給付を受けた者」とは、偽りその他不正の手段により、現実に、かつ、直接に保険給付を受けた者をいい、受給権を有する者に限らないものとされている。(昭和40年7月31日基発901号) (C)誤り 法12条の3第2項、昭和40年7月31日基発901号 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときに、事業主が虚偽の報告又は証明をしたためにその保険給付が行なわれたときは、政府はその事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることができる。 そして、この規定は、事業主の虚偽の報告又は証明によって、保険給付を受けた者がある場合に適用されることとされている。 よって、「これに係る事業主の報告又は証明の真偽にかかわらず」とした問題文は誤りとなる。 (D)誤り 法30条、法31条、法32条 通勤災害に関する保険給付の費用についての国庫負担は行われていない。 よって、問題文は誤りとなる。 なお、国庫は、予算の範囲内において、労働者災害補償保険事業に要する費用の一部を補助することができるとされているが、一定率の国庫負担は行われていない。 (E)誤り 法31条2項・3項、則44条の2 通勤災害により療養給付を受ける労働者からは、原則、一部負担金として200円(健康保険法の日雇特例被保険者である労働者については、100円)が徴収される(現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合には、当該現に療養に要した費用の総額に相当する額 )ことになっているが、問題文のような規定は存在しない。 よって、問題文は誤りとなる。 |
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