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トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成20年労災-第6問(第三者行為災害等) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)保険給付を受けることができる労働者又はその遺族が、同一の事由について事業主から損害賠償を受けていた場合には、政府は、損害賠償の事由、内容、損害てん補の程度等を総合的に勘案して政令で定める基準により、保険給付の全部又は一部の支給を行わないことができる。 (B)企業内の災害補償制度が、労働協約、就業規則等からみて労災保険の保険給付と重なる損害てん補の性質を有するものであることが明らかに認められる場合であっても、政府は、当該保険給付について支給調整を行うことができない。 (C)行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによって、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができる。 (D)政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で保険給付を行わないことができる。この場合において、対象となる保険給付は、その支給事由の発生後3年以内に請求のあった保険給付(年金たる保険給付については、この3年間に係るものに限る。)とされている。 (E)政府は、第三者の行為によって生じた事故を原因とする業務災害について保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度で、受給者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。この場合において、対象となる保険給付は、災害発生後5年以内に支給事由が生じた保険給付(年金たる保険給付については、この5年間に係るものに限る。)とされている。
(A)誤り 法附則64条2項 保険給付を受けることができる労働者又はその遺族が、同一の事由について事業主から損害賠償(当該保険給付によっててん補される損害をてん補する部分に限る。)を受けていた場合には、政府は、労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。 よって、「損害賠償の事由、内容、損害てん補の程度等を総合的に勘案して政令で定める基準により、保険給付の全部又は一部の支給を行わない」とした問題文は誤りである。 (B)誤り 法附則64条2項、昭和56年6月12日発基60号 企業内労災補償は、一般的にいって労災保険給付が支給されることを前提としながらこれに上積みして給付する趣旨のものであるので、企業内労災補償については、その制度を定めた労働協約、就業規則その他の規程の文面上労災保険給付相当分を含むことが明らかである場合は、労災保険給付の支給調整を行うこととされている。 よって、「支給調整を行うことができない。」とした問題文は誤りとなる。 なお、労災保険給付が将来にわたり支給されることを前提としてこれに上積みして支払われる示談金及び和解金については、労災保険給付の支給調整を行われない。 また、単なる見舞金等民事損害賠償の性質をもたないものについては、労災保険給付の支給調整を行わない。 (C)正解 法49条1項 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによって、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができる。 よって、問題文の記述は正解となる。 なお、問題文の権限を行使し、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。(法49条2項) (D)誤り 法12条の4第2項、昭和41年6月17日基発610号 保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。 この場合において、支給停止の対象となるのは、同一の事由について受けた損害賠償額を限度として、災害発生後3年以内に支給事由が生じた保険給付とされている。 よって、「その支給事由の発生後3年以内に請求のあった保険給付」とした問題文は誤りとなる。 (E)誤り 法12条の4第1項、昭和41年6月17日基発610号 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。この場合において対象となる保険給付は、災害発生後3年以内に支給事由が生じた保険給付(年金たる保険給付については、この3年間に係るものに限る。)とされている。 よって、「5年」とした問題文は誤りとなる。 なお、政府が取得する損害賠償請求権の行使(求償という。)は、受給権者が保険給付の事由と同一の事由につき第三者に対して請求し得る損害賠償の額の範囲内において、災害発生後3年以内に支給すべき年金についてその支払の都度行なうこととされている。 |
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