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トップページ > 過去問研究室(労災保険法)> 平成25年労災-第3問(労災保険法の保険給付) | |||||
■社会保険労務士試験過去問研究室 | |||||
労災保険に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において「二次健康診断」及び「特定保健指導」とは、労災保険法の二次健康診断等給付として行われるものである。 (A)同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。 (B)二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師又は保健師による特定保健指導は、二次健康診断ごとに2回までとされている。 (C)政府は、二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導を行わないとされている。 (D)政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、保険給付に関し必要な労災保険法施行規則で定める書類その他の物件を政府に提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。 (E)労災保険法では、厚生労働大臣は、同法の施行に関し、関係行政機関又は公私の団体に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができ、協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は、できるだけその求めに応じなければならないと規定されている。
(A)正解 法12条2項 同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなすこととされている。 よって、問題文は正解となる。 具体例としては、傷病(補償)年金を受ける権利が、傷病の治癒により消滅して、同時に障害(補償)年金を受けることができることになった場合において、消滅した月の翌月以後の分として傷病(補償)年金が支払われたときなどがある。 (B)誤り 法26条2項 二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師又は保健師による特定保健指導は、二次健康診断ごとに1回に限られている。 よって、「2回まで」とした問題文は誤りとなる。 なお、脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査(一定の検査は除く。)であって厚生労働省令で定めるものを行う医師による二次健康診断についても1年度につき1回に限られている。 (C)正解 法26条3項 二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の病状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導は行わないこととされており、このような場合については健康保険の保険給付や労災保険の療養補償給付等が支給されることとなる。 よって、問題文は正解となる。 (D)正解 法47条の3 保険給付の適正な支払を確保するために、政府は、保険給付を受ける者が、正当な理由なく行政庁の命令に従わないときは、その保険給付の支払を一時的に差し止めることができることとされている。 よって、問題文は正解となる。 なお、「正当な理由」とは、そのような事情があれば、誰もが命令に従うことができなかったであろうと認められる場合をいい、当該労働者の単なる主観的な事情は含まないとされている。(昭和40年7月31日基発906号) (E)正解 法49条の3 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関又は公私の団体に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができ、協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は、できるだけその求めに応じなければならないことになっている。 よって、問題文は正解となる。 |
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