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厚生労働省労働基準局長通知(「心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成23年12月26日付け基発1226第1号)、以下「認定基準」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (A)認定基準においては、うつ病エピソードの発病直前の2か月間連続して1月当たりおおむね80時間の時間外労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合、心理的負荷の総合評価は「強」と判断される。 (B)認定基準においては、同僚から治療を要する程度のひどい暴行を受けてうつ病エピソードを発病した場合、心理的負荷の総合評価は「強」と判断される。 (C)認定基準においては、身体接触のない性的発言のみのセクシュアルハラスメントである場合には、これによりうつ病エピソードを発病しても、心理的負荷の総合評価が「強」になることはない。 (D)認定基準においては、発病前おおむね6か月の間の出来事について評価することから、胸を触るなどのセクシュアルハラスメントを繰り返し受け続けて9か月あまりでうつ病エピソードを発病した場合、6か月より前の出来事については、評価の対象にならない。 (E)認定基準においては、うつ病エピソードを発病した労働者がセクシュアルハラスメントを受けていた場合の心理的負荷の程度の判断は、その労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかで判断される。
(A)誤り 平成23年12月26日基発1226第1号 認定基準では、発病日から起算した直前の2か月間に1月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とするとしている。 よって、「1月当たりおおむね80時間の時間外労働」とした問題文は誤りとなる。 なお、発病直前の連続した3か月間に、1月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合も心理的負荷の総合評価は「強」とされる。 (B)正解 平成23年12月26日基発1226第1号 認定基準では、部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、これが執拗に行われた場合、同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合、治療を要する程度の暴行を受けた場合等の心理的負荷の総合評価は「強」と判断される。 よって、問題文は正解となる。 (C)誤り 平成23年12月26日基発1226第1号 認定基準では、身体接触のない性的な発言のみのセクシュアルハラスメントであって、(1)発言の中に人格を否定するようなものを含み、かつ継続してなされた場合、(2)性的な発言が継続してなされ、かつ会社がセクシュアルハラスメントがあると把握していても適切な対応がなく、改善がなされなかった場合等の心理的負荷の総合評価は「強」と判断される。 よって、問題文は誤りとなる。 (D)誤り 平成23年12月26日基発1226第1号 認定基準では、いじめやセクシュアルハラスメントのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前にそれが開始されている場合でも、発病前6か月以内の期間にも継続しているときは、開始時からのすべての行為を評価の対象とすることとされている。 よって、「6か月より前の出来事については、評価の対象にならない。6か月より前の出来事については、評価の対象にならない。」とした問題文は誤りとなる。 (E)誤り 平成23年12月26日基発1226第1号 認定基準では、心理的負荷による精神障害の業務起因性を判断する要件としては、対象疾病の発病の有無、発病の時期及び疾患名について明確な医学的判断があることに加え、当該対象疾病の発病の前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められることを掲げている。 この場合の強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるものであり、「同種の労働者」とは職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者とされている。 よって、「主観的にどう受け止めたかで判断」とした問題文は誤りとなる。 |
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